「自分で決めたら、不思議と怖くなくなった」
「誰が私の骨を拾ってくれる?」独身40代が樹木葬を選んだ理由
A.Kさん
きっかけは親友の葬儀
42歳、独身、子どもなし。そんな私が「自分の死」をリアルに考えたのは、親友の葬儀で喪主を務めたときのことでした。
親友は43歳で急逝しました。未婚で子どもがいなかった彼女の葬儀は、高齢の両親と、遠方から駆けつけた私が中心になって取り仕切りました。手続きの多さ、決断の連続、お金のこと——3日間で何十もの判断をしなければなりませんでした。
「私が死んだとき、誰がこれをやってくれるんだろう」
帰りの新幹線の中で、そう考えていました。親は高齢です。兄弟はいますが、長年疎遠で遠方に住んでいます。友人には頼めない。頼める人が、思い浮かびませんでした。
調べ始めたら「独身向け」の情報がほとんどない
帰宅してすぐ、「独身 お墓」「おひとりさま 終活」で検索しました。
出てくるのは「家族のための」情報ばかりでした。「子どもに負担をかけないために」「夫婦で入れるお墓」——どれも私には当てはまりません。
「おひとりさまのお墓」という言葉でようやく実態がわかってきました。選択肢は大きく3つあることがわかりました。
①永代供養墓:寺や霊園が永続的に管理してくれるお墓。個別安置期間のあとは合祀になるケースが多い。
②樹木葬:自然の木や花のそばに埋葬される。永代供養が前提で、管理の手間がない。
③散骨:海や山に遺骨を撒く。費用は最も安いが、「お参りする場所がなくなる」のが気になりました。
兄弟が疎遠といっても、もし将来「会いに行きたい」と思ったとき、場所がないのは寂しいかもしれない。そう考えて、散骨は候補から外しました。
新宿から電車30分の樹木葬を見学して決めた
週末、気になっていた樹木葬霊園を見学しました。新宿から電車で30分ほどの、小さな丘の上にある霊園です。
スタッフの方に案内してもらうと、桜の木の下に区画が設けられていました。春になると満開の桜の下でお参りできると聞いて、「ここがいい」と直感しました。
費用は生前予約で30万円。年間管理料なし、永代供養込みです。その日のうちに申し込みを決めました。
同時に、死後事務委任契約の相談も始めました。司法書士事務所に相談し、死後の手続き(葬儀の連絡・役所への届出・遺品整理など)を任せる契約を結びました。月3,000円の積立で、死後に必要な費用を準備しています。
家に帰って、エンディングノートを開き、「亡くなったときはここに連絡してください」と書きました。
その瞬間、不思議と死が怖くなくなりました。決めたから、怖くなくなったのだと思います。
[▶おひとりさまの終活・お墓の選び方ガイド](/guide/47)
※ この体験談は、編集部が一般的なご相談事例をもとに再構成したものです。登場する人物名・地名・具体的な状況はすべてフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。