「後戻りできないことを、もっと理解しておけばよかった」

永代供養にして後悔した——合祀後に「やっぱり取り出したい」と思った日

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T.Nさん

60代大阪府在住夫のお墓
7分で読めます2026-03-19

夫が亡くなった直後の判断

夫が急逝したのは、65歳の誕生日を目前にした秋のことでした。前日まで元気で、突然のことでした。

葬儀の手配、親族への連絡、保険の手続き——頭が真っ白なまま、次々と決断が迫られました。お墓のことを決めたのも、葬儀の翌週でした。

子どもが3人いますが、全員が遠方に住んでいます。「お母さん一人でお墓の管理は大変だから」と長男が言い出し、「永代供養にしたらどうか」という話になりました。

費用は8万円。「管理料は一切かかりません」という霊園の言葉に、正直ほっとしました。よくわからないまま、合祀型の永代供養墓に決めました。合祀が何を意味するのか、そのときの私にはよく理解できていませんでした。

合祀から1年後の後悔

納骨から1年が経ったころ、長男から電話がありました。

「お父さんの骨、こっちに来てほしいんだ。子どもたちに会わせてやりたいし、俺も近くにいたい」

長男が転職して、自宅の近くに引っ越したタイミングでした。「お父さんも喜ぶと思う」という言葉に、私も「そうできたらいいね」と思いました。

霊園に問い合わせると、担当者の方がこう言いました。

「申し訳ございませんが、合祀後の個別の遺骨の取り出しは対応しておりません」

合祀とは、複数の遺骨をひとつにまとめて埋葬することです。一度合祀されると、個別に取り出すことは物理的にできなくなります。

「安かったから」という理由だけで決めた自分を責めました。夫に申し訳なくて、その晩は眠れませんでした。

今だから言えること

時間が経って、少し冷静に考えられるようになりました。

夫は「形より気持ちだ」と言うタイプでした。豪華なお墓より、みんなが笑って集まれる場所を好む人でした。「お前が楽ならそれでいい」と言うかもしれない。そう思うようにしています。

それでも、今から選ぶ方には伝えたいことがあります。

①合祀前に「分骨」しておく選択肢があった。全骨を納骨する前に、一部を手元や別の場所に残す「分骨」という方法があります。手元供養のための骨壷や、ミニ骨壷に分けておくことで、将来の選択肢が広がります。

②個別安置期間の長いプランを選ぶ。永代供養墓にも、一定期間(13回忌・33回忌など)は個別で安置し、期間後に合祀するプランがあります。最初から合祀するプランより費用はかかりますが、その間は取り出し・移転が可能です。

「安いから」だけで決めないこと。そして、合祀の意味を必ず確認してから決めてください。

[▶永代供養の種類・選び方完全ガイド](/guide/10)

※ この体験談は、編集部が一般的なご相談事例をもとに再構成したものです。登場する人物名・地名・具体的な状況はすべてフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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#永代供養#後悔#合祀#体験談
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