墓じまいとは?費用・流れ・手続きを完全解説|メリット・デメリットやトラブル対策も
墓じまいをお考えの方へ。墓じまいの意味やメリット・デメリットから、行政手続きの流れ、気になる費用の内訳、高額な離檀料などのトラブルを防ぐコツまで、すべて網羅した完全ガイドです。
この記事の監修者
お墓のミカタ 専門アドバイザー
終活・お墓コンサルタント
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目次
墓じまいとは?急増している背景
墓じまいとは、現在のお墓を撤去して更地にし、墓地の管理者に敷地を返還することです。取り出したご遺骨は、別の場所へ移して供養(改葬)するのが一般的です。
近年、厚生労働省のデータによると改葬件数は年間約15万件に達し、20年間で約2倍に急増しています。
その背景には「お墓が遠方で管理が難しい」「少子高齢化で後継者がいない」「年間管理料の負担が重い」といった社会的変化があります。
墓じまいは「お墓を粗末にすること」ではありません。ライフスタイルに合わせて新しい供養の形を選び、子や孫に負担を残さないための前向きな決断です。
墓じまいをするメリット・デメリット
墓じまいに踏み切る前に、まずは良い点と注意すべき点を理解しておきましょう。
3つのメリット
✅ 維持・管理の負担軽減:毎年の管理料や、遠方へのお参りの交通費・体力的負担がなくなります。
✅ 無縁墓になる心配がない:後継者がいなくても、お墓が無縁仏として荒れ果てるのを防ぐことができます。
✅ 供養がしやすくなる:自宅の近くやアクセスの良い場所へ移すことで、気軽にお参りできるようになります。
2つのデメリット
- 親族とのトラブルの種になる:「先祖代々のお墓を無くすなんて」と親戚から反対されるケースがあります。
- 一時的な金銭的負担:墓石の撤去や新しい納骨先の確保など、まとまった初期費用(数十万〜百万円程度)が発生します。
【図解】墓じまいにかかる必要な手続きと流れ(全6ステップ)
墓じまいは、行政手続きと並行して進める必要があります。全体で約2〜3ヶ月の期間を見込んでおきましょう。
1. 親族の同意を得る
まずはご家族・ご親族と十分にお話し合いをしましょう。費用の分担や新しい納骨先についても、全員が納得するまで決めることがトラブル防止の第一歩です。
2. 現在の墓地管理者に相談する(お寺への離檀の申し出)
菩提寺などの墓地管理者に、墓じまいの意向を伝えます。お寺の檀家をやめる「離檀(りだん)」となるため、いきなり手続きを進めるのではなく、「長年お世話になったお礼」とともに丁寧に相談する姿勢が大切です。
3. 新しい納骨先を決め「受入証明書」をもらう
ご遺骨の引っ越し先(樹木葬、永代供養墓、納骨堂など)を契約し、管理者から「受入証明書」を発行してもらいます。
4. 役所で「改葬許可」の行政手続きを行う
- 現在のお墓がある市区町村の役所で「改葬許可申請書」を入手します。
- 現在のお墓の管理者から、そのお墓に誰が埋葬されているかを証明する「埋蔵証明書(埋葬証明書)」に署名・捺印をもらいます。
- 役所に申請書、受入証明書、埋葬証明書を提出し、「改葬許可証」を発行してもらいます。この許可証がないとご遺骨は移動できません。
5. 閉眼供養(魂抜き)と遺骨の取り出し・墓石の撤去
僧侶に読経をお願いして「閉眼供養」を行い、お墓から魂を抜きます。その後、石材店が遺骨を取り出し、墓石を解体・撤去して更地に戻し、管理者に返還します。
6. 新しい納骨先へご遺骨を移す(改葬)
取り出したご遺骨と「改葬許可証」を新しい管理者に提出し、納骨します。これで全ての手続きが完了です。
墓じまいの全体フロー(全6ステップ)
親族の同意・話し合い
親戚間で費用や改葬先について合意を得ます
お寺(管理者)への相談
菩提寺へ離檀の意向と感謝を伝えます
新しい納骨先を決める
契約して「受入証明書」を発行してもらいます
役所で「改葬許可」申請
書類をそろえて「改葬許可証」を入手します
閉眼供養・墓石撤去
お性根抜きを行い、石材店が墓石を解体・更地にします
新しい納骨先への引っ越し
取り出したご遺骨と許可証を持参し、納骨します
墓じまいにかかる費用の相場と安く抑えるコツ
墓じまいの総費用は、全国平均で100万円前後(30万円〜300万円)と幅があります。内訳は以下の通りです。
費用の内訳
- 墓石の解体工事費:1㎡あたり8万〜15万円(平均20〜30万円)
- 閉眼供養のお布施:3万〜10万円
- 行政手続き書類:数百円〜数千円
- 新しい納骨先(改葬先)の費用:数万〜数百万円
- 離檀料(お寺の場合):5万〜20万円程度
費用は誰が負担する?払えない場合は?
原則は法要の主催者である「祭祀継承者」が負担しますが、高額になるため親戚同士で出し合って分担するのが理想的です。
どうしても手元で払えない場合は、メモリアルローン(お墓専用のローン)の活用や、自治体の「墓じまい補助金制度」が使えないか確認しましょう。
費用を安く抑える最大のポイントは、石材店の解体工事で「相見積もり」を取ることと、新しい供養先を比較することです。
今のまま維持?それとも墓じまい?
将来コストの比較シミュレーター
往復の交通費(電車・新幹線・車のガソリン代・高速代等)
わからない場合は3〜4柱が一般的です
一番多いトラブル「高額な離檀料」への対策
寺院墓地の場合、お寺の檀家を離れることになりますが、その際にお渡しするお布施を「離檀料」と呼びます。
相場は5万〜20万円(法要1〜3回分程度)ですが、お寺によって異なり、ごく稀に数百万円という高額な離檀料を請求され、トラブルになるケースがあります。
✅ 離檀料に法律上の支払い義務はありません。
✅ 高額請求された場合は、その場で支払いを約束せず、「親族と相談します」と持ち帰るのが鉄則です。
✅ 直接揉めてしまった場合は、市区町村の生活相談窓口や消費生活センター、または弁護士に第三者として介入してもらうことで、スムーズに解決できることがほとんどです。
まずは何よりも、これまでの感謝の気持ちを込めて「誠意を持って話し合いをする」ことが、トラブルを未然に防ぎます。
墓じまいをしないとどうなる?放置した場合の3つのリスク
「いつかやらなければ」と思いながら先延ばしにすることで、以下のリスクが現実になります。
リスク①:無縁墓として強制撤去される
年間管理料を3〜5年滞納すると、多くの霊園・お寺の規約で「使用許可の取り消し」が定められています。官報に公告された後、墓石は解体され、ご遺骨は無縁仏として共同の合祀墓に移されてしまいます。
リスク②:子・孫世代に重い負担が引き継がれる
自分たちの代で解決しなければ、後継ぎのいない墓の問題はそのまま子や孫に丸投げになります。将来世代が「知らない親族のお墓の維持費」を毎年払い続けることになります。
リスク③:墓石が劣化・崩壊して近隣墓所を傷める
誰も手入れしないお墓は、目地が劣化し霜・凍害で墓石が傾きます。最悪の場合、地震などで隣接する区画の墓石を倒して損傷させ、損害賠償トラブルに発展するケースも報告されています。
「今が一番若く・元気」なうちに行動することが、最も多くの選択肢を持てるタイミングです。60代・70代で計画的に進める方が増えています。
失敗しないための石材店の選び方|チェックリスト付き
墓じまいで費用差が最も大きいのが墓石の解体・撤去工事費です。全優石(全国優良石材店の会)の調査によると、同じ条件でも石材店によって最大2倍の価格差があります。
- ✓相見積もりは最低3社から取る(1社だけの見積もりは高すぎても気づかない)
- ✓全優石加盟店かどうか確認する(全国規模の品質基準を満たした認定店)
- ✓見積書に「一式」と書かれた業者は注意(内訳が不明確で後から追加料金が発生するリスク)
- ✓「撤去後の更地写真を送ってくれるか」確認する(作業完了の証拠になる)
- ✓霊園が指定石材店を持つ場合は、その店以外も相見積もりできるか確認する(指定店のみの場合は金額交渉をしてみる)
お住いの地域の全優石加盟石材店は、全優石公式サイト(zenyuseki.or.jp)から検索できます。
[▶墓じまいの費用相場の詳細内訳はこちら](/guide/hakajimai/hakajimai-cost)
よくあるご質問
Q.墓じまいの費用はだれが払うのが一般的ですか?
Q.墓じまいに補助金は出ますか?
Q.墓石ごとお墓を引っ越すことはできますか?
Q.墓じまいをしないと将来どうなりますか?
Q.石材店はどうやって選べばいいですか?
監修
お墓のミカタ 専門アドバイザー
終活・お墓コンサルタント
お墓掃除・墓じまいに関する情報を、一般の方にもわかりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。
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