墓じまい

墓じまいとは?費用・流れ・手続きを完全解説|メリット・デメリットやトラブル対策も

墓じまいをお考えの方へ。墓じまいの意味やメリット・デメリットから、行政手続きの流れ、気になる費用の内訳、高額な離檀料などのトラブルを防ぐコツまで、すべて網羅した完全ガイドです。

15分で読めます公開日: 2024.12.15

この記事の監修者

お墓のミカタ 専門アドバイザー

終活・お墓コンサルタント

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目次

  1. 1.墓じまいとは?急増している背景
  2. 2.墓じまいをするメリット・デメリット
  3. 3.【図解】墓じまいにかかる必要な手続きと流れ(全6ステップ)
  4. 4.墓じまいにかかる費用の相場と安く抑えるコツ
  5. 5.一番多いトラブル「高額な離檀料」への対策
  6. 6.墓じまいをしないとどうなる?放置した場合の3つのリスク
  7. 7.失敗しないための石材店の選び方|チェックリスト付き

墓じまいとは?急増している背景

墓じまいとは、現在のお墓を撤去して更地にし、墓地の管理者に敷地を返還することです。取り出したご遺骨は、別の場所へ移して供養(改葬)するのが一般的です。

近年、厚生労働省のデータによると改葬件数は年間約15万件に達し、20年間で約2倍に急増しています。

その背景には「お墓が遠方で管理が難しい」「少子高齢化で後継者がいない」「年間管理料の負担が重い」といった社会的変化があります。

重要

墓じまいは「お墓を粗末にすること」ではありません。ライフスタイルに合わせて新しい供養の形を選び、子や孫に負担を残さないための前向きな決断です。

墓じまいをするメリット・デメリット

墓じまいに踏み切る前に、まずは良い点と注意すべき点を理解しておきましょう。

3つのメリット

維持・管理の負担軽減:毎年の管理料や、遠方へのお参りの交通費・体力的負担がなくなります。

無縁墓になる心配がない:後継者がいなくても、お墓が無縁仏として荒れ果てるのを防ぐことができます。

供養がしやすくなる:自宅の近くやアクセスの良い場所へ移すことで、気軽にお参りできるようになります。

2つのデメリット

  • 親族とのトラブルの種になる:「先祖代々のお墓を無くすなんて」と親戚から反対されるケースがあります。
  • 一時的な金銭的負担:墓石の撤去や新しい納骨先の確保など、まとまった初期費用(数十万〜百万円程度)が発生します。

【図解】墓じまいにかかる必要な手続きと流れ(全6ステップ)

墓じまいは、行政手続きと並行して進める必要があります。全体で約2〜3ヶ月の期間を見込んでおきましょう。

1. 親族の同意を得る

まずはご家族・ご親族と十分にお話し合いをしましょう。費用の分担や新しい納骨先についても、全員が納得するまで決めることがトラブル防止の第一歩です。

2. 現在の墓地管理者に相談する(お寺への離檀の申し出)

菩提寺などの墓地管理者に、墓じまいの意向を伝えます。お寺の檀家をやめる「離檀(りだん)」となるため、いきなり手続きを進めるのではなく、「長年お世話になったお礼」とともに丁寧に相談する姿勢が大切です。

3. 新しい納骨先を決め「受入証明書」をもらう

ご遺骨の引っ越し先(樹木葬、永代供養墓、納骨堂など)を契約し、管理者から「受入証明書」を発行してもらいます。

4. 役所で「改葬許可」の行政手続きを行う

  • 現在のお墓がある市区町村の役所で「改葬許可申請書」を入手します。
  • 現在のお墓の管理者から、そのお墓に誰が埋葬されているかを証明する「埋蔵証明書(埋葬証明書)」に署名・捺印をもらいます。
  • 役所に申請書、受入証明書、埋葬証明書を提出し、「改葬許可証」を発行してもらいます。この許可証がないとご遺骨は移動できません。

5. 閉眼供養(魂抜き)と遺骨の取り出し・墓石の撤去

僧侶に読経をお願いして「閉眼供養」を行い、お墓から魂を抜きます。その後、石材店が遺骨を取り出し、墓石を解体・撤去して更地に戻し、管理者に返還します。

6. 新しい納骨先へご遺骨を移す(改葬)

取り出したご遺骨と「改葬許可証」を新しい管理者に提出し、納骨します。これで全ての手続きが完了です。

墓じまいの全体フロー(全6ステップ)

1.

親族の同意・話し合い

親戚間で費用や改葬先について合意を得ます

2.

お寺(管理者)への相談

菩提寺へ離檀の意向と感謝を伝えます

3.

新しい納骨先を決める

契約して「受入証明書」を発行してもらいます

4.

役所で「改葬許可」申請

書類をそろえて「改葬許可証」を入手します

5.

閉眼供養・墓石撤去

お性根抜きを行い、石材店が墓石を解体・更地にします

6.

新しい納骨先への引っ越し

取り出したご遺骨と許可証を持参し、納骨します

墓じまいにかかる費用の相場と安く抑えるコツ

墓じまいの総費用は、全国平均で100万円前後(30万円〜300万円)と幅があります。内訳は以下の通りです。

費用の内訳

  • 墓石の解体工事費:1㎡あたり8万〜15万円(平均20〜30万円)
  • 閉眼供養のお布施:3万〜10万円
  • 行政手続き書類:数百円〜数千円
  • 新しい納骨先(改葬先)の費用:数万〜数百万円
  • 離檀料(お寺の場合):5万〜20万円程度

費用は誰が負担する?払えない場合は?

原則は法要の主催者である「祭祀継承者」が負担しますが、高額になるため親戚同士で出し合って分担するのが理想的です。

どうしても手元で払えない場合は、メモリアルローン(お墓専用のローン)の活用や、自治体の「墓じまい補助金制度」が使えないか確認しましょう。

ヒント

費用を安く抑える最大のポイントは、石材店の解体工事で「相見積もり」を取ることと、新しい供養先を比較することです。

今のまま維持?それとも墓じまい?
将来コストの比較シミュレーター

5年50年
なし年4回
なし年6回

往復の交通費(電車・新幹線・車のガソリン代・高速代等)

1柱10柱

わからない場合は3〜4柱が一般的です

一番多いトラブル「高額な離檀料」への対策

寺院墓地の場合、お寺の檀家を離れることになりますが、その際にお渡しするお布施を「離檀料」と呼びます。

相場は5万〜20万円(法要1〜3回分程度)ですが、お寺によって異なり、ごく稀に数百万円という高額な離檀料を請求され、トラブルになるケースがあります。

注意

✅ 離檀料に法律上の支払い義務はありません

✅ 高額請求された場合は、その場で支払いを約束せず、「親族と相談します」と持ち帰るのが鉄則です。

✅ 直接揉めてしまった場合は、市区町村の生活相談窓口や消費生活センター、または弁護士に第三者として介入してもらうことで、スムーズに解決できることがほとんどです。

まずは何よりも、これまでの感謝の気持ちを込めて「誠意を持って話し合いをする」ことが、トラブルを未然に防ぎます。

墓じまいをしないとどうなる?放置した場合の3つのリスク

「いつかやらなければ」と思いながら先延ばしにすることで、以下のリスクが現実になります。

リスク①:無縁墓として強制撤去される

年間管理料を3〜5年滞納すると、多くの霊園・お寺の規約で「使用許可の取り消し」が定められています。官報に公告された後、墓石は解体され、ご遺骨は無縁仏として共同の合祀墓に移されてしまいます。

リスク②:子・孫世代に重い負担が引き継がれる

自分たちの代で解決しなければ、後継ぎのいない墓の問題はそのまま子や孫に丸投げになります。将来世代が「知らない親族のお墓の維持費」を毎年払い続けることになります。

リスク③:墓石が劣化・崩壊して近隣墓所を傷める

誰も手入れしないお墓は、目地が劣化し霜・凍害で墓石が傾きます。最悪の場合、地震などで隣接する区画の墓石を倒して損傷させ、損害賠償トラブルに発展するケースも報告されています。

重要

「今が一番若く・元気」なうちに行動することが、最も多くの選択肢を持てるタイミングです。60代・70代で計画的に進める方が増えています。

失敗しないための石材店の選び方|チェックリスト付き

墓じまいで費用差が最も大きいのが墓石の解体・撤去工事費です。全優石(全国優良石材店の会)の調査によると、同じ条件でも石材店によって最大2倍の価格差があります。

  • 相見積もりは最低3社から取る(1社だけの見積もりは高すぎても気づかない)
  • 全優石加盟店かどうか確認する(全国規模の品質基準を満たした認定店)
  • 見積書に「一式」と書かれた業者は注意(内訳が不明確で後から追加料金が発生するリスク)
  • 「撤去後の更地写真を送ってくれるか」確認する(作業完了の証拠になる)
  • 霊園が指定石材店を持つ場合は、その店以外も相見積もりできるか確認する(指定店のみの場合は金額交渉をしてみる)
ヒント

お住いの地域の全優石加盟石材店は、全優石公式サイト(zenyuseki.or.jp)から検索できます。

[▶墓じまいの費用相場の詳細内訳はこちら](/guide/hakajimai/hakajimai-cost)

よくあるご質問

Q.墓じまいの費用はだれが払うのが一般的ですか?

A.原則として、法要の主催者である「祭祀継承者(お墓の継承者)」が負担します。しかし総額が高額になるケースが多いため、親戚間で話し合い、出し合って分担するのが理想的で、実際の多くもそのように解決されています。

Q.墓じまいに補助金は出ますか?

A.はい、自治体によっては墓じまいや改葬にかかる費用の一部を補助する制度(墓所返還助成金など)を設けています。例えば東京都の多磨霊園など一部の都立霊園では返還時の助成制度があります。必ず現在のお墓がある市区町村の役所へ事前に確認してください。

Q.墓石ごとお墓を引っ越すことはできますか?

A.技術的には可能ですが、新しい霊園が「他霊園からの石の持ち込み」を許可していないケースが非常に多いです。また、石の輸送費や再設置費用が新品を購入するのと同じくらい高額になるため、実際には墓石を撤去し、新しい墓地で建て直すか、樹木葬などに改葬するケースが一般的です。

Q.墓じまいをしないと将来どうなりますか?

A.管理費を3〜5年滞納すると、霊園・お寺の規約に基づき使用許可が取り消されます。官報公告を経て墓石が強制撤去され、遺骨は無縁仏として合祀墓へ移されます。子どもや孫世代に管理の負担が引き継がれるリスクもあるため、元気なうちに計画を立てることをおすすめします。

Q.石材店はどうやって選べばいいですか?

A.最低3社から相見積もりを取ることが最重要です。全優石(全国優良石材店の会)加盟店は品質基準を満たした認定店なので、全優石公式サイトから地元の加盟店を探すのが失敗しない選び方の第一歩です。

監修

お墓のミカタ 専門アドバイザー

終活・お墓コンサルタント

お墓掃除・墓じまいに関する情報を、一般の方にもわかりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。

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