宗派別お墓・法要のマナー|浄土真宗・曹洞宗・真言宗・日蓮宗の違いを解説

「うちの宗派はどんな作法?」という疑問に答えます。焼香の回数・線香の本数・墓石の形など、主要4宗派のお墓・法要マナーをわかりやすく整理しました。

11分で読めます公開日: 2026.03.20

この記事の監修者

お墓のミカタ 専門アドバイザー

終活・お墓コンサルタント

目次

  1. 1.「宗派がわからない」は珍しくない|まず確認する方法
  2. 2.浄土真宗のお墓・法要マナー
  3. 3.曹洞宗・臨済宗(禅宗)のお墓・法要マナー
  4. 4.真言宗・日蓮宗のお墓・法要マナー
  5. 5.宗派による費用・戒名料の違い

「宗派がわからない」は珍しくない|まず確認する方法

「自分の家の宗派が何か知らない」という方は意外と多く、知らなくて当然です。特に若い世代では、法要や葬儀でお寺にお世話になる機会が減り、宗派を意識する機会がほとんどないのが現状です。

【宗派を確認する方法】

① お仏壇の御本尊・掛け軸を見る(宗派によって異なる)

② 過去帳・位牌を確認する(戒名の形式で宗派がわかることがある)

③ 菩提寺(家のお寺)に直接聞く

④ 祖父母・親戚に聞く

【日本の主要宗派とおおよその信者数(参考)】

宗派宗派の系統
浄土真宗(本願寺派・大谷派)浄土系
浄土宗浄土系
曹洞宗禅系
臨済宗禅系
真言宗密教系
日蓮宗日蓮系
天台宗天台系

宗派が異なっても、「故人を偲ぶ気持ち」が最も大切なことに変わりはありません。細かな作法は参列前に確認しておく程度で十分です。

浄土真宗のお墓・法要マナー

浄土真宗は日本で最も信者数が多い宗派の一つです(本願寺派・大谷派など複数の派があります)。「往生即成仏」という独自の教えから、他の宗派と異なる点が多くあります。

【浄土真宗の主な特徴】

  • 「霊魂が迷う」という概念がないため、「魂抜き・魂入れ」は行わない(「遷仏法要」「入仏法要」と呼ぶ)
  • 「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」を唱える(念仏)
  • 戒名ではなく「法名(ほうみょう)」と呼ぶ

【焼香の作法】

  • 本願寺派:1回(額に押し頂かない)
  • 大谷派:2回(額に押し頂かない)

【お墓参りのポイント】

  • 水はかけない(浄土真宗では「浄土にいる」という考えから、水やお茶を供える必要はないとされる)
  • 線香は寝かせて供える(香炉の大きさに合わせて折ってよい)
  • 墓石の形は「南無阿弥陀仏」と刻まれた角柱型が多い

曹洞宗・臨済宗(禅宗)のお墓・法要マナー

曹洞宗と臨済宗は同じ禅宗の系統ですが、細かな作法に違いがあります。

【曹洞宗の特徴】

  • 「坐禅」を重んじる。日々の行いを大切にする教え
  • 焼香:2回(1回目は額に押し頂く、2回目はそのまま)
  • 戒名には「〇〇位」という位号がつく
  • 線香:1本または3本(立てる)

【臨済宗の特徴】

  • 公案(問答)を用いた禅の修行を重視
  • 焼香:1〜3回(流派・寺院によって異なる)
  • 戒名には「居士(こじ)」「大姉(だいし)」などがつくことが多い

【禅宗共通のお墓参りのポイント】

  • 卒塔婆(そとば)供養を重視する傾向がある
  • 墓石の形は竿石に「○○家之墓」と刻まれたシンプルな形が多い
  • 供花は華美でなく、落ち着いた色が好まれる

真言宗・日蓮宗のお墓・法要マナー

【真言宗の特徴】

弘法大師(空海)が開いた密教の宗派。護摩(ごま)の儀式や真言(呪文的な言葉)を用いる独特の作法があります。

  • 焼香:3回(額に押し頂く)
  • 「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」を唱える
  • 線香:3本(立てる)
  • 卒塔婆供養を行う宗派
  • 墓石に「南無大師遍照金剛」や梵字(ぼんじ)が刻まれることがある

【日蓮宗の特徴】

日蓮聖人が開いた宗派。「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」という題目を唱えることが核心。

  • 焼香:1〜3回(額に押し頂く)
  • 「南無妙法蓮華経」を唱える(お題目)
  • 線香:1本または3本(立てる)
  • 墓石に「南無妙法蓮華経」と刻まれることが多い
  • 卒塔婆供養を行う

【宗派がわからないお参りの場合の対処】

よその家のお墓参りや法要に参列する際に宗派がわからない場合は、焼香は「1回・額に押し頂かない」スタイルが最もクレームになりにくいとされています。また、周囲の方の作法に自然に合わせるのも一つの方法です。

宗派による費用・戒名料の違い

宗派によって、お布施・戒名料の相場感が異なります。あくまで目安として参考にしてください(実際には寺院・住職によって大きく異なります)。

【戒名(法名)のランクと費用の目安】

宗派位号の例費用の目安(目安)
浄土真宗釈〇〇(法名)戒名料の概念がなく、お布施のみ(3〜10万円)
浄土宗信士/信女、居士/大姉10〜50万円(ランクによる)
曹洞宗信士/信女、居士/大姉10〜50万円(ランクによる)
真言宗信士/信女、居士/大姉、院号10〜100万円(院号は高額)
日蓮宗信士/信女、居士/大姉10〜50万円(ランクによる)

【浄土真宗が「戒名料がかからない」理由】

浄土真宗では戒名(出家した際に授かる名前)ではなく「法名」という概念を使います。法名は原則として生前に授けるもので、追加費用が発生しないことが多いです。

戒名料の金額について「高すぎる」と感じた場合は、遠慮なくお寺に相談してみてください。多くの場合、家族の事情を話すと柔軟に対応してもらえます。

よくあるご質問

Q.宗派が違うお墓に納骨することはできますか?

A.寺院墓地では宗派が指定されることが多く、異なる宗派での納骨を断られる場合があります。一方、公営霊園・民間霊園は宗旨不問が多く、宗派を問わず納骨できます。

Q.宗派を変えることはできますか?

A.法律上の制限はなく、宗派を変えることは可能です。ただし、菩提寺(家のお寺)との関係や、既存のお墓の取り扱いについて事前に確認・相談が必要です。

Q.無宗教の場合はどうすればいいですか?

A.無宗教であっても霊園への納骨は可能です。公営霊園・民間霊園は宗旨不問であるため、宗教的な儀式なしで使用できます。法要も行わなければならないわけではありません。

監修

お墓のミカタ 専門アドバイザー

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