デジタル遺品・デジタル終活とは?スマホ・SNS・データの整理と家族への伝え方

亡くなった後に残るスマホ・パソコン・SNSアカウント・オンライン口座。「デジタル遺品」の問題と、生前にできる整理の方法をわかりやすく解説します。

11分で読めます公開日: 2026.03.20

この記事の監修者

お墓のミカタ 専門アドバイザー

終活・お墓コンサルタント

目次

  1. 1.デジタル遺品とは?なぜ今、問題になっているのか
  2. 2.家族が困る「スマホのロック解除問題」への対処法
  3. 3.SNSアカウントの死後の扱い|削除・追悼・放置の選択肢
  4. 4.オンライン口座・電子マネー・サブスクの整理方法
  5. 5.「エンディングノート」にデジタル情報を書き残す方法

デジタル遺品とは?なぜ今、問題になっているのか

「デジタル遺品」とは、亡くなった方が残したスマートフォン・パソコン・SNSアカウント・オンライン口座・サブスクリプションサービスなど、デジタル上の資産・情報の総称です。

【デジタル遺品の主な種類】

種類具体例
デバイススマートフォン、パソコン、タブレット
オンライン口座PayPay・楽天ペイ等の電子マネー、ネット銀行、証券口座
SNS・メールLINE、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、Gmail等
サブスクNetflix、Spotify、Amazon Prime等の定期課金サービス
クラウドデータGoogle フォト、iCloud等の写真・データ
仮想通貨ビットコイン等(発見されないと永久に失われる)

【なぜ問題になるのか】

  • ロック解除できず写真・思い出のデータが取り出せない
  • 定期課金(サブスク)が亡くなった後も引き落とされ続ける
  • ネット銀行の残高が遺族に気づかれないまま放置される
  • SNSアカウントが悪用・なりすましの対象になる

デジタル機器が日常生活に浸透した今、「デジタル遺品」は誰にとっても無関係ではない問題です。難しく考えなくてよいので、できることから少しずつ整理しておくことで、残された家族の負担を大幅に減らせます。

家族が困る「スマホのロック解除問題」への対処法

デジタル遺品の中で最もよく聞くトラブルが「スマホのパスコードがわからず開けられない」という問題です。

【なぜロック解除が難しいのか】

Apple(iPhone)やGoogle(Android)は、プライバシー保護の観点からロックされた端末の解除を遺族に代わって行ってくれません。法的手続きを経ても解除が困難なケースがほとんどです。

【生前にできる準備】

エンディングノートにパスコードを記録する

最もシンプルな方法です。「エンディングノート」(文具店・書店・100円ショップで購入可)の「デジタル情報」欄にパスコードを記録しておきます。

信頼できる家族にパスコードを伝えておく

口頭で伝えておくだけでも有効です。

緊急連絡先(緊急SOS)の設定をしておく

iPhoneでは「医療ID・緊急連絡先」の設定が可能です。Androidでは「緊急情報」に家族の連絡先を登録できます。

【スマホのデータはどこに保存されているか確認しておく】

写真や動画がiCloud・Google フォト等のクラウドに自動保存されている場合、アカウント情報(メールアドレス+パスワード)を伝えておけば、端末が開けなくてもデータにアクセスできます。

SNSアカウントの死後の扱い|削除・追悼・放置の選択肢

亡くなった後、SNSアカウントはどうなるのか。主なSNSの対応をまとめました。

【主なSNSの死後の対応】

SNS対応
Facebook遺族が「追悼アカウント」への変更または削除を申請できる
Instagram遺族が追悼アカウントへの変更または削除を申請できる
X(旧Twitter)遺族が削除を申請できる(追悼機能なし)
LINE遺族によるアカウント削除の手続きはない。端末ごと処分で実質的に消去
Google(Gmail等)「休眠アカウント管理ツール」で生前に設定可能

【生前にできる設定】

Facebookの「追悼アカウント管理人」を設定する

Facebookでは生前に「自分が亡くなった後にアカウントを管理してほしい人(管理人)」を設定できます。設定は「設定→一般→追悼アカウント管理人」から。

Googleの「休眠アカウント管理ツール」を設定する

一定期間ログインがなかった場合に、指定した家族にデータを共有したり、アカウントを削除したりする設定ができます。Google アカウントの設定から「休眠アカウント管理ツール」で設定可能です。

エンディングノートに「各アカウントの扱い希望」を記録しておく

「削除してほしい」「残してほしい」「データだけバックアップしてほしい」という希望を書き残しておくだけで、遺族の判断が楽になります。

オンライン口座・電子マネー・サブスクの整理方法

【オンライン銀行・ネット証券】

ネット銀行・ネット証券の口座は、通帳や証書が存在しないため、家族が気づかないまま放置されるケースがあります。

対処法:エンディングノートに「口座名・金融機関名・ログインメールアドレス」を記録しておく。パスワードは直接書かず「金庫の中に保管」など所在だけ記しておく方法も有効です。

【電子マネー・ポイント】

PayPay・楽天ポイント・Suica等の電子マネー・ポイントは、名義人の死亡により原則として消滅します(相続の対象外または手続きが複雑)。残高が多い場合は、生前に使い切っておく方が実務的です。

【サブスクリプションの解約】

亡くなった後もサブスクの引き落としが続くケースがあります。クレジットカードを解約すれば自動的に止まりますが、年間契約の場合は手動解約が必要です。

対処法:エンディングノートに「契約中のサブスクサービス一覧と解約方法」を書き残しておく。年に1回、契約しているサービスを棚卸しする習慣をつけておくのも効果的です。

【仮想通貨(暗号資産)の扱い】

仮想通貨は秘密鍵(パスワード)を紛失すると誰もアクセスできなくなります。保有している場合は、取引所名・ウォレット情報をエンディングノートに記録し、家族に知らせておくことが重要です。

「エンディングノート」にデジタル情報を書き残す方法

デジタル遺品対策として最も手軽で効果的なのが、エンディングノートへの記録です。難しく考えず、「もしもの時に家族が困らないための覚え書き」として活用してください。

【デジタル情報として書き残しておくと便利な内容】

項目書き残す内容
スマホ・PC端末のパスコード、保存先(クラウド名)
メールアドレス、パスワードまたは保管場所
SNSアカウント名、「削除してほしい/残してほしい」の希望
ネット銀行金融機関名、口座番号、ログインメールアドレス
電子マネーサービス名、残高の目安
サブスクサービス名、引き落とし先カード
仮想通貨取引所名・ウォレット情報の保管場所

【注意:パスワードの書き方】

エンディングノートをどこかに保管する際、パスワードを直接書くと盗難リスクがあります。「パスワードは金庫(または〇〇の引き出し)に別途保管」という形で、情報を分散させる方が安全です。

【エンディングノートの入手先】

書店・文具店・100円ショップ・ネット通販で購入できます。デジタル専用の記録シートを提供している終活サービスもあります。

まず一項目だけ書き始めるだけで大丈夫です。完璧に仕上げようとしなくて構いません。

よくあるご質問

Q.亡くなった家族のiPhoneのロックを解除してもらえますか?

A.Appleは原則としてロック解除に応じていません。裁判所の命令があっても技術的に困難なケースがほとんどです。生前にパスコードを家族に伝えておくか、iCloudにデータをバックアップしておくことが最も現実的な対策です。

Q.亡くなった家族のSNSアカウントを削除したい場合はどうすればいいですか?

A.各SNSの「アカウント削除申請」ページから、遺族であることを証明する書類(死亡診断書等)を提出して申請できます。SNSによって手続きが異なるため、各サービスのサポートページを確認してください。

Q.エンディングノートに書いた内容は法的効力がありますか?

A.エンディングノートには遺言書のような法的効力はありません。財産の相続に関する指定など法的に有効にしたい事項は、別途「公正証書遺言」として作成することをおすすめします。

監修

お墓のミカタ 専門アドバイザー

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