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お墓の名義変更(祭祀承継)のやり方|手続き・費用・相続税・トラブル防止策

お墓の名義変更(祭祀承継)の手続き費用は1万円前後、期間は1〜4週間が目安。お墓は相続税非課税([相続税法第12条](https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000073))。手続き手順・費用・トラブル防止策を解説します。

10分で読めます最終更新: 2026.03.21

この記事の監修者

お墓のミカタ 編集長

お墓のミカタ編集部

墓じまい 完全ガイドシリーズ

墓じまいの全体像・手続き・費用を一から確認する

目次

  1. 1.お墓の名義変更とは何か?相続とどう違うのか?
  2. 2.お墓の名義変更の手続き・費用・期間はどのくらいかかるか?
  3. 3.承継者が決まらない場合に家庭裁判所へどう申立てればよいか?
  4. 4.お墓の承継をめぐる親族間トラブルを防ぐにはどうすればよいか?

お墓の名義変更とは何か?相続とどう違うのか?

お墓は不動産と異なり、民法上「祭祀財産(さいしざいさん)」という特別なカテゴリに分類されます。相続財産(遺産)とは別に扱われるため、遺産分割協議とは関係なく「祭祀承継者(さいしょうけいしゃ)」という1人の方が単独で引き継ぎます

【重要:お墓は相続税の対象外です】

お墓・仏壇・位牌などの祭祀財産は、相続税法上「非課税財産」として扱われます(相続税法第12条)。どれだけ高価な墓石であっても相続税は発生しません。ただし「投資目的で取得した」と見なされる場合は課税対象になる可能性があるため、注意してください。

【祭祀承継者を決める方法(民法897条)】

民法897条では、祭祀財産の承継者を以下の優先順位で決めると定めています。

① 故人が生前に指定した人(遺言・口頭いずれも可)

② 地域の慣習

③ 家庭裁判所が決める(①②で決まらない場合)

一般的には「長男が引き継ぐ」という慣習が多いですが、法律上は長女・次男・配偶者・親族以外でも指定可能です。また、祭祀承継者は「相続放棄した人」でも引き継ぐことができます(お墓は相続財産ではないため)。

【名義変更しないとどうなるか?】

  • 年間管理料の請求が故人宛に届き続ける
  • 霊園から連絡が取れず、最終的に「無縁墓」として整理されるリスク
  • 急に墓じまいが必要になった際に手続きができない

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お墓の名義変更の手続き・費用・期間はどのくらいかかるか?

お墓は不動産登記のような公的な登録制度はありませんが、お墓を管理している霊園・寺院に対して「使用名義人の変更」を届け出る必要があります

【一般的な手続きの流れ(所要期間:1〜4週間)】

1. 霊園・寺院に連絡:名義変更を申し出る(電話・窓口)

2. 書類の準備(下記参照)

3. 名義変更申請書の記入・提出

4. 名義変更料の支払い

5. 新しい墓地使用許可書の受け取り

手続き期間は霊園の規模や書類の準備状況によりますが、書類が揃えば早い霊園では1週間、遅い霊園でも1ヶ月以内に完了するのが一般的です。

【必要書類一覧】

  • 新しい使用者(祭祀承継者)の身分証明書(運転免許証等)
  • 被承継人(故人)の死亡を証明する書類(戸籍謄本または死亡診断書のコピー)
  • 旧使用者と新使用者の続柄を証明する書類(戸籍謄本等)
  • 墓地使用許可書(もともとの契約書)

【費用の目安】

  • 名義変更料:5,000円〜3万円(霊園・寺院によって異なる)
  • 戸籍謄本の取得:1通450円
  • 合計:1万円前後が目安

【寺院(菩提寺)の場合の注意点】

寺院が管理するお墓の名義変更は「檀家の承継」を意味します。自動的に檀家に加入することになるため、今後の法要費・護持費(年間1〜5万円)が継続してかかります。寺院との関係・費用負担を事前に確認しておくことをおすすめします。

承継者が決まらない場合に家庭裁判所へどう申立てればよいか?

民法897条の規定により、祭祀承継者が①故人の指定、②慣習のいずれでも決まらない場合は、家庭裁判所が決定します。親族間で誰が引き継ぐかを巡って対立が生じた場合も、最終的には家庭裁判所の調停・審判に委ねることになります。

【家庭裁判所への申立て手順】

1. 調停の申立て:お墓がある地を管轄する家庭裁判所に「祭祀承継者指定の調停」を申し立てる

  • 申立費用:収入印紙1,200円+郵便切手代
  • 申立書の書式は各家庭裁判所の窓口またはウェブサイトで入手可能

2. 調停期日:調停委員を介して関係者が話し合い(通常2〜6回、数ヶ月かかる)

3. 調停不成立の場合→審判へ:裁判官が承継者を指定する審判が下される

【申立てが必要になるケースの例】

  • 故人の遺言に祭祀承継者の指定がなく、兄弟間で誰が引き継ぐか対立している
  • 「誰も引き継ぎたくない」と全員が拒否している
  • 祭祀承継者として指定された人が承継を拒否している

【承継者を決める実務上のポイント】

法的な手続きに進む前に、まずは家族・親族間で話し合いの場を設けることが先決です。費用の分担方法(管理費を兄弟で折半するなど)を文書化して合意できれば、調停を経ずに解決できるケースがほとんどです。

お墓の承継をめぐる親族間トラブルを防ぐにはどうすればよいか?

お墓の承継は、ほかの遺産相続トラブルと同様に親族間で揉めやすいテーマです。以下のポイントを押さえておきましょう。

【よくあるトラブル事例】

  • 「長男が承継したが費用を一人で負担するのが不満」
  • 「離れて住む親族がお墓参りを任せっきりで管理が大変」
  • 「承継したくない(独身・子供なし)のに周りから押し付けられた」
  • 「お墓を持っている兄が先に亡くなり、次の承継者が誰かで揉めた」

【トラブル防止策】

  • 承継者1人に丸投げしない:管理費や掃除費を兄弟間で分担する取り決めを文書化する
  • 「お墓の管理が不安」なら早めに墓じまいを検討:無縁墓になるより、生前に決断する方が合理的
  • 承継が難しい場合は「霊園への直接返還」も可能:使用権を霊園に返却することで管理義務を終了できる
  • 遠方で管理できない場合は「お墓の引越し(改葬)」を検討:自宅近くの霊園や永代供養墓への移転
  • 生前に故人本人が承継者を指定しておく:遺言書や終活ノートへの記載が最もトラブルを防ぐ

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よくあるご質問

Qお墓の名義変更に期限はありますか?

A.法律上の期限はありません。ただし、年間管理料の請求先が変わらないため、早めに手続きすることをおすすめします。多くの霊園では「速やかに」変更を求めていますが、数ヶ月程度は猶予が認められるのが一般的です。

Qお墓は相続税の対象になりますか?

A.なりません。お墓・仏壇・位牌などの祭祀財産は、相続税法第12条により「非課税財産」として扱われます。どれだけ高価な墓石であっても相続税は発生しません。ただし「投資目的で取得した」と見なされる場合は課税対象になる可能性があります。

Qお墓の名義変更は長男以外でもできますか?

A.はい、できます。民法897条では、祭祀承継者は故人の指定または慣習によって決まり、必ずしも長男である必要はありません。長女・次男・配偶者・孫、場合によっては血縁関係のない方でも指定可能です。

Q家族間でお墓の承継者が決まらない場合はどうすればいいですか?

A.民法897条に基づき、家庭裁判所に「祭祀承継者指定の調停」を申し立てることができます。申立費用は収入印紙1,200円程度です。調停で合意が成立しない場合は、裁判官が審判で承継者を指定します。ただし数ヶ月かかるため、まずは家族間での話し合いを試みることが先決です。

Q相続放棄をした人がお墓を引き継ぐことはできますか?

A.できます。お墓は「祭祀財産」として相続財産とは別に扱われるため、相続放棄の影響を受けません。プラスの遺産もマイナスの遺産(借金)も全て放棄した相続放棄者でも、お墓だけを引き継ぐことが法律上可能です。

Q霊園から「名義変更してください」という通知が来ました。無視したらどうなりますか?

A.長期間名義変更をしないと、霊園が「連絡不能状態」として扱い始めます。最終的には「無縁墓(むえんぼ)」として行政代執行による撤去処理が行われる可能性があります。撤去費用が後から請求されるケースもあるため、早めの手続きをおすすめします。

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監修

お墓のミカタ 編集長

お墓のミカタ編集部

お墓をどうするかで悩む方に向けて、選択肢と判断材料を分かりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。

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