墓じまい

お墓の名義変更(祭祀承継)のやり方|手続き・費用・トラブル防止策

「親が亡くなってお墓を引き継いだが、名義変更の手続きが分からない」方へ。祭祀承継者の決め方・手続きの流れ・費用・名義変更しないと起きるトラブルを徹底解説。

9分で読めます公開日: 2025.03.23

この記事の監修者

お墓のミカタ 専門アドバイザー

終活・お墓コンサルタント

目次

  1. 1.お墓の「名義変更」とは?誰が引き継ぐの?
  2. 2.お墓の名義変更の手続きと費用
  3. 3.親族間のトラブルを防ぐポイント

お墓の「名義変更」とは?誰が引き継ぐの?

お墓は不動産と異なり、民法上「祭祀財産(さいしざいさん)」という特別なカテゴリに分類されます。相続財産(遺産)とは別に扱われるため、遺産分割協議とは関係なく「祭祀承継者(さいしょうけいしゃ)」という1人の方が単独で引き継ぎます

【祭祀承継者を決める方法(民法897条)】

優先順位は以下の通りです。

① 故人が生前に指定した人(遺言・口頭いずれも可)

② 地域の慣習

③ 家庭裁判所が決める

一般的には「長男が引き継ぐ」という慣習が多いですが、法律上は長女・次男・配偶者・親族以外でも指定可能です。また、祭祀承継者は「相続放棄した人」でも引き継ぐことができます。

【名義変更しないとどうなるか?】

  • 年間管理料の請求が故人宛に届き続ける
  • 霊園から連絡が取れず、最終的に「無縁墓」として整理されるリスク
  • 急に墓じまいが必要になった際に手続きができない

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お墓の名義変更の手続きと費用

お墓は不動産登記のような公的な登録制度はありませんが、お墓を管理している霊園・寺院に対して「使用名義人の変更」を届け出る必要があります

【一般的な手続きの流れ】

1. 霊園・寺院に連絡:名義変更を申し出る(電話・窓口)

2. 書類の準備

  • 新しい使用者(祭祀承継者)の身分証明書
  • 被承継人(故人)の死亡を証明する書類(戸籍・死亡診断書)
  • 旧使用者と新使用者の続柄を証明する書類(戸籍謄本等)
  • 墓地使用許可書(もともとの契約書)

3. 名義変更申請書の記入・提出

4. 名義変更料の支払い

5. 新しい墓地使用許可書の受け取り

【費用の目安】

  • 名義変更料:5,000円〜3万円程度(霊園・寺院によって異なる)
  • 戸籍謄本の取得費用:1通450円

【寺院(菩提寺)の場合の注意点】

寺院が管理するお墓の場合、名義変更は「檀家の承継」を意味します。自動的に檀家に加入することになるため、今後の法要費・護持費(年間数万円)が継続してかかります。

親族間のトラブルを防ぐポイント

お墓の承継は、ほかの遺産相続トラブルと同様に親族間で揉めやすいテーマです。以下のポイントを押さえておきましょう。

【よくあるトラブル事例】

  • 「長男が承継したが費用を一人で負担するのが不満」
  • 「離れて住む親族がお墓参りを任せっきりで管理が大変」
  • 「承継したくない(独身・子供なし)のに周りから押し付けられた」

【トラブル防止策】

承継者1人に丸投げしない:管理費や掃除費を兄弟間で分担する取り決めを文書化する

「お墓の管理が不安」なら早めに墓じまいを検討:無縁墓になるより、生前に決断する方が合理的

承継が難しい場合は「霊園への直接返還」も可能:使用権を霊園に返却(返還)することで、管理義務を終了できる

遠方で管理できない場合は「お墓の引越し(改葬)」を検討:自宅近くの霊園や永代供養墓への移転

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よくあるご質問

Q.お墓の名義変更に期限はありますか?

A.法律上の期限はありません。ただし、年間管理料の請求先が変わらないため、早めに手続きすることをおすすめします。多くの霊園では「速やかに」変更を求めていますが、数ヶ月程度は猶予が認められるのが一般的です。

Q.お墓の名義変更は長男以外でもできますか?

A.はい、できます。法律(民法897条)では、祭祀承継者は被承継人(故人)の指定または慣習によって決まり、必ずしも長男である必要はありません。長女・次男・配偶者・孫、場合によっては血縁関係のない方でも指定可能です。

Q.相続放棄をした人がお墓を引き継ぐことはできますか?

A.できます。お墓は「祭祀財産」として相続財産とは別に扱われるため、相続放棄の影響を受けません。プラスの遺産もマイナスの遺産(借金)も全て放棄した相続放棄者でも、お墓だけを引き継ぐことが法律上可能です。

Q.霊園から「名義変更してください」という通知が来ました。無視したらどうなりますか?

A.長期間名義変更をしないと、霊園が「連絡不能状態」として扱い始めます。最終的には「無縁墓(むえんぼ)」として行政代執行による撤去処理が行われる可能性があります。また、その際の費用が後で請求されるケースもあるため、早めの手続きをおすすめします。

Q.お墓の使用権を返還(解約)することはできますか?

A.はい、可能です。「墓地の用途に使わなくなった場合、霊園に返還できる」旨が多くの霊園の使用規則に定められています。ただし、墓石の撤去費用(5〜10万円程度)が必要になります。また、支払い済みの管理料は返還されないのが一般的です。

監修

お墓のミカタ 専門アドバイザー

終活・お墓コンサルタント

お墓掃除・墓じまいに関する情報を、一般の方にもわかりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。

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