改葬(お墓の引越し)の完全手順ガイド|費用・必要書類・注意点
改葬(お墓の引越し)は[墓地埋葬法](https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000048)に基づく市区町村への申請が必須です。費用は20〜200万円が目安、期間は3〜8ヶ月。全6ステップを解説します。
墓じまい 完全ガイドシリーズ
墓じまいの全体像・手続き・費用を一から確認する目次
改葬とはどのような手続きで墓じまいとどう違うのか?
改葬(かいそう)とは、現在のお墓から遺骨を取り出し、別の場所(新しいお墓・納骨堂・散骨等)に移すことを指します。「お墓の引越し」とも呼ばれます。
【改葬と墓じまいの違い】
| 改葬 | 墓じまい | |
|---|---|---|
| 遺骨の扱い | 新しいお墓へ移す | 永代供養墓等へ移す or 散骨 |
| 現在のお墓 | 墓石を残す場合も・撤去する場合も | 撤去して更地にする |
| イメージ | 引越し | 完全終了 |
実際には「改葬」と「墓じまい」はセットで行われることが多く、元のお墓を撤去して遺骨を永代供養墓に移す場合は「墓じまい(改葬の一種)」と捉えられます。
【改葬が必要になる主なケース】
- 遠方でお墓参りが難しくなった
- 子供が遠方に住んでおり、近くに引越ししたい
- 寺院との関係が難しくなり、霊園墓地に移したい
- 樹木葬や永代供養墓に変更したい
改葬の手続きは全6ステップでどのように進めればよいか?
改葬は「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、役所への申請が必須です。手続きなしに遺骨を勝手に移動させることは違法となります。
STEP 1:改葬先の受け入れ証明書を取得する
新しい移転先(樹木葬霊園・納骨堂等)と契約し、「受入証明書(永代使用承諾書)」を受け取ります。
STEP 2:現在の霊園・寺院から「埋葬証明書」を取得する
現在お骨が埋葬されている霊園・寺院に依頼し、「埋葬証明書」を発行してもらいます。寺院の場合、ここで離檀料の交渉が発生することがあります。
STEP 3:市区町村役所に「改葬許可申請書」を提出する
現在のお墓がある市区町村の窓口(衛生課・環境課等)に「改葬許可申請書」を提出します。添付書類は「埋葬証明書」と「受入証明書」です。申請は無料の自治体がほとんどです。
STEP 4:改葬許可証を受け取る
ほぼ即日〜数日で「改葬許可証」が交付されます。
STEP 5:現在のお墓から遺骨を取り出す(閉眼供養)
寺院・石材店と調整し、住職の閉眼供養(魂抜き)の後、石材店が墓石を開けて遺骨を取り出します。
STEP 6:新しいお墓へ納骨(開眼供養)
改葬許可証を新しい霊園に提出し、遺骨を納骨。開眼供養(魂入れ)を行って完了です。
改葬にかかる費用の目安と注意すべきポイントは何か?
【改葬にかかる費用の目安】
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 閉眼供養(お布施) | 3〜5万円 |
| 離檀料(寺院の場合) | 0〜20万円 |
| 墓石開扉・遺骨取り出し費用(石材店) | 2〜5万円 |
| 旧墓の墓石撤去・産廃処分(墓じまいの場合) | 10〜30万円 |
| 改葬先の費用(樹木葬等) | 3〜150万円 |
| 開眼供養(新しい墓地) | 3〜5万円 |
| 合計 | 20〜200万円 |
【注意点①:寺院との離檀トラブルに注意】
寺院にあるお墓を改葬する場合、高額の離檀料を請求されるトラブルが全国で多発しています。離檀料は法律上の支払い義務はありませんが、「埋葬証明書を出さない」と言われて身動きが取れなくなるケースがあります。このような場合は弁護士・消費生活センターへの相談が有効です。
【注意点②:改葬許可証は移転先に渡す】
改葬許可証は遺骨と一緒に運び、新しい霊園に提出します。紛失した場合は再発行が可能ですが手間がかかるため、大切に保管してください。
【注意点③:複数の遺骨がある場合は1柱ずつ申請が必要】
改葬許可申請は遺骨1体(1柱)につき1枚の申請書が必要です。複数人分の遺骨を移動させる場合は、その人数分の申請書が必要になります。
改葬先として永代供養・樹木葬・納骨堂のどれを選べばよいか?
改葬先を選ぶ際、主な選択肢は以下の4種類です。それぞれの特徴を把握した上で、ご家族の状況に合った選択肢を選びましょう。
| 改葬先 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 永代供養墓(合祀) | 3〜30万円 | 費用が最も安い。他の方と同じ場所に埋葬 |
| 永代供養墓(個別) | 20〜80万円 | 一定期間(13〜33回忌等)個別管理後、合祀 |
| 樹木葬 | 5〜100万円 | 自然の中に埋葬。後継者不要で人気が高い |
| 納骨堂 | 10〜150万円 | 屋内施設。天候に関係なくお参りできる |
| 新しいお墓(霊園) | 50〜300万円 | 従来型のお墓。引越し先でお墓を建て直す |
【選ぶ際のポイント】
① 後継者がいるかどうか:後継者がいない場合は、管理不要の永代供養・樹木葬が向いています
② お参りのしやすさ:自宅や交通機関からのアクセスを確認
③ 宗教・宗派の制限:寺院が運営する霊園は宗派指定がある場合も。公営・民間霊園は宗旨問わないことが多い
④ 費用の総額(永代使用料+管理料の合計):初期費用だけでなく、年間管理料も含めた総額で比較する
迷ったときは「交通の便がよく、後継者不要な施設」を軸に候補を絞ると選びやすくなります。
改葬は準備から完了まで平均何ヶ月かかるか?
改葬は「思い立ったらすぐ完了する」手続きではなく、複数のステップに時間がかかります。あらかじめ全体像を把握しておくと、焦らず進められます。
【標準的なスケジュールの目安】
| フェーズ | 所要期間 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 情報収集・検討 | 1〜3ヶ月 | 改葬先の候補を探す、資料請求、見学 |
| 改葬先の契約 | 1〜2ヶ月 | 申し込み、契約、受入証明書の取得 |
| お寺・霊園との協議 | 1〜2ヶ月 | 離檀・閉眼供養の日程調整、埋葬証明書の取得 |
| 役所への申請 | 数日〜2週間 | 改葬許可申請書の提出、改葬許可証の受け取り |
| 遺骨の移動・納骨 | 1日 | 閉眼供養、遺骨取り出し、新墓への納骨 |
| 合計 | 3〜8ヶ月 | 状況によって前後します |
【時間がかかりやすいポイント】
- お寺との交渉が長引く場合(離檀トラブル等)
- 公営霊園の場合、抽選待ちが発生することがある
- 家族・親族間で方針をまとめる話し合いに時間がかかる
【急ぎたい場合のポイント】
改葬先を民間の納骨堂や樹木葬霊園にすると、契約から納骨まで比較的早く進められる場合があります。ただし、急いで決めた後悔も多いため、候補は複数見比べることをおすすめします。
改葬についてよくある疑問への回答はどのようなものか?
Q. 改葬と墓じまいは同時にできますか?
A. はい。「元のお墓を撤去しながら遺骨を別の場所へ移す」場合は、改葬と墓じまいを同時に行うことになります。この場合、石材店への墓石撤去費用が別途かかります。
Q. 改葬先が決まる前に役所への申請はできますか?
A. 原則として、改葬先の「受入証明書」が申請に必要なため、改葬先が決まってからの申請になります。先に改葬先を決めておく必要があります。
Q. 骨壷は改葬先で用意してもらえますか?
A. 基本的には、現在お墓に納めてある骨壷をそのまま持参します。改葬先によっては新しい骨壷や布袋への移し替えを求める場合があります。事前に改葬先に確認しておきましょう。
Q. 海外に住んでいますが、日本の改葬手続きはできますか?
A. 海外在住の場合、代理人(国内の親族等)に手続きを委任する方法があります。役所によって対応が異なるため、お墓がある市区町村の窓口に事前に相談してください。
Q. 改葬を親族に反対された場合はどうすればいいですか?
A. 改葬には「お墓の名義人(祭祀承継者)」の判断権があります。ただし、家族間の合意があった方がその後の関係がスムーズです。なぜ改葬したいのかの理由と、改葬後の供養方法を丁寧に説明することが大切です。
よくあるご質問
Q改葬(お墓の引越し)はどこに申請すればいいですか?
Q改葬許可申請に費用はかかりますか?
Qお墓を引越しする際に、お寺の許可は必要ですか?
Q改葬先は決まっていなくても申請できますか?
Q改葬後、元のお墓(墓石)はどうすればいいですか?
監修
お墓のミカタ編集部
お墓をどうするかで悩む方に向けて、選択肢と判断材料を分かりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。
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