墓じまい

お墓と相続・遺産の関係|祭祀承継・名義変更・相続税の疑問を解説

お墓は相続財産に含まれる?誰が引き継ぐ?名義変更の手続きは?相続とお墓の関係についてわかりやすく整理します。

11分で読めます公開日: 2026.03.20

この記事の監修者

お墓のミカタ 専門アドバイザー

終活・お墓コンサルタント

目次

  1. 1.お墓は「相続財産」に含まれない|祭祀財産とは
  2. 2.お墓の名義変更(祭祀承継)の手続き方法
  3. 3.「お墓を相続放棄したらどうなる?」という疑問
  4. 4.お墓の維持費・管理料は誰が払う?家族でのトラブル防止策

お墓は「相続財産」に含まれない|祭祀財産とは

お墓・仏壇・位牌などは「祭祀財産(さいしざいさん)」と呼ばれ、民法上は通常の相続財産(不動産・預金・株式など)とは別に扱われます。

【祭祀財産の主な特徴】

  • 相続税の課税対象外(非課税)
  • 相続人全員で分割するのではなく、1人の「祭祀承継者」が引き継ぐ
  • 遺産分割協議の対象にならない

つまり、お墓は「相続財産ではないため相続税はかからないが、誰かが一人で管理を引き継ぐ必要がある」という性質を持っています。

【祭祀承継者とは?】

祭祀承継者とは、お墓・仏壇の管理や法要の主催を引き継ぐ人のことです。法律上は以下の順で決まります(民法897条)。

①被相続人(亡くなった方)の指定がある場合はその人

②慣習による(地域・家の慣習で決まる)

③家庭裁判所が定める

実際には家族間の話し合いで決めることがほとんどです。

お墓の名義変更(祭祀承継)の手続き方法

現在の名義人(前の管理者)が亡くなった場合、霊園や寺院に「名義変更(承継)」の手続きを行う必要があります。

【手続きの流れ】

STEP 1:霊園・寺院の管理事務所に連絡

「名義人が亡くなったため変更したい」と伝えます。

STEP 2:必要書類を準備する

霊園・寺院によって異なりますが、一般的に以下の書類が必要です。

  • 名義変更申請書(霊園所定の書式)
  • 現在の名義人の死亡が確認できる書類(戸籍謄本・死亡診断書のコピー等)
  • 新しい名義人(承継者)の身分証明書
  • 墓地使用許可証(旧)
  • 印鑑

STEP 3:手数料を支払って手続き完了

手数料は霊園によって異なりますが、数千円〜1万円程度が多いです。

【手続きをしないとどうなる?】

法律上の義務はありませんが、名義人と異なる状態が続くと、霊園からの通知が届かない・管理料の引き落としができないなどのトラブルに発展することがあります。早めに手続きしておくのが安心です。

「お墓を相続放棄したらどうなる?」という疑問

相続放棄をした場合でも、お墓(祭祀財産)は相続放棄の対象外のため、引き続き誰かが管理を引き継ぐ必要があります。

【よくある誤解】

「相続放棄したのでお墓の管理もしなくていい」と思っている方がいますが、法律上は正確ではありません。相続放棄は「プラスの財産(預金・不動産等)とマイナスの財産(借金等)をすべて放棄する」行為であり、祭祀財産(お墓・仏壇)は対象外です。

【誰も引き継がない場合はどうなる?】

管理者不在のまま管理料が未払いになり続けると、霊園・寺院によって「無縁墓」として取り扱われ、最終的に合祀される場合があります。このような状態を避けるために、親族間で「誰が引き継ぐか」を早めに話し合っておくことが大切です。

【引き継ぐ人がいない場合の選択肢】

  • 墓じまいをして永代供養墓に移す
  • 霊園に「永代供養管理」を依頼する(管理を霊園に委託する制度)

「誰も引き継げない」という状況でも、選択肢はあります。一人で抱え込まずに、霊園の管理事務所に相談してみてください。

お墓の維持費・管理料は誰が払う?家族でのトラブル防止策

祭祀承継者が一人でお墓の管理費を負担するのは、時に大きな重荷になります。年間管理料だけでなく、墓石の修繕・法要費用・墓じまいの費用など、長期的に見ると数十万〜数百万円になることもあります。

【費用分担のよくあるパターン】

  • 承継者が全額負担(最も多いが、不満が生まれやすい)
  • 兄弟姉妹で均等に分担
  • 受益者(そのお墓にお参りする人)が負担
  • 法要の際に香典・お供え物で補填

【トラブルを防ぐためにできること】

最も多いトラブルは「言った・言わない」の認識のズレです。費用分担については、口頭ではなくメモやLINEなどで記録に残しておくことをおすすめします。

【墓じまいの費用は誰が出すか?】

墓じまいの費用(解体・撤去・改葬先の費用等)の負担者も、家族間でトラブルになりやすいポイントです。「誰のために・誰の判断で墓じまいをするのか」を先に話し合ってから進めると、後からの争いを防げます。

よくあるご質問

Q.お墓は相続税の対象になりますか?

A.なりません。お墓・仏壇・位牌は「祭祀財産」として相続税の非課税財産に分類されています。ただし、骨董品や美術品としての価値があるものは課税対象になる場合があります。

Q.遺言書でお墓の承継者を指定できますか?

A.はい。遺言書で「お墓の祭祀承継者」を指定することができます。指定がない場合は慣習または家庭裁判所の決定によります。

Q.お墓の名義変更をしないとどうなりますか?

A.法律上の罰則はありませんが、霊園から管理料の請求が名義人宛に届かない・重要連絡が受け取れないなどの実務上のトラブルが起きる可能性があります。早めに手続きしておくと安心です。

監修

お墓のミカタ 専門アドバイザー

終活・お墓コンサルタント

お墓をどうするかで悩む方に向けて、選択肢と判断材料を分かりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。

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