墓じまいの補助金は本当にある?自治体の実例13件と対象条件を徹底調査
「墓じまいの補助金がある自治体は全国で約8〜13自治体程度」という実態を正直に解説。群馬県太田市(上限20万円)など具体的な事例と、補助金がない場合の費用削減策も紹介。
この記事の監修者
お墓のミカタ 専門アドバイザー
終活・お墓コンサルタント
目次
結論:補助金がある自治体は全国で約8〜13自治体と限定的
まず、正直にお伝えします。
「墓じまいの補助金」を検索すると多くの情報が見つかりますが、実際に一般家庭の墓じまいを直接補助する制度がある自治体は、全国で約8〜13自治体程度(2026年3月時点の調査による)と非常に限定的です。
さらに重要な条件があります。補助の対象は原則として「市区町村が運営する公営霊園の使用者」のみです。寺院境内のお墓・民営霊園のお墓は、ほとんどの場合、補助金の対象外となります。
この事実を知らずに「補助金をもらえる前提」で進めると、後から大きく期待を裏切られることになります。この記事では、実在する具体的な制度の一覧と、補助金が使えない場合の費用削減策を両方お伝えします。
あなたの状況別の見通し
- 市区町村が運営する公営霊園のお墓 → 補助金・割引制度がある可能性あり。まず役所に問い合わせを
- 寺院・民営霊園のお墓 → 補助金はほぼ期待できない。費用削減策で対応する
実在する補助金・助成金制度の自治体一覧(2026年調査)
調査で確認できた具体的な制度を紹介します。制度名・金額・条件は2026年3月時点の情報です。申請前に必ず各自治体に最新情報を確認してください。
【墓石撤去費用を直接補助するタイプ(最も手厚い)】
▶ 群馬県太田市「八王子山公園墓地墓石撤去費用助成金」
- 補助上限:200,000円(実費か20万円の低い方)
- 対象:平成31年4月以降に市営墓地を返還した方
▶ 千葉県市川市「霊園一般墓地返還促進事業」
- 補助上限:75,000〜440,000円(区画の種別・面積による)
- 対象:市川市霊園の使用者で管理困難・後継者なし
- 特典:使用料の25〜50%も還付
▶ 千葉県浦安市「墓所返還者等支援事業」
- 補助上限:150,000円(墓石撤去費) + 合祀室使用料が全額免除
- 対象:浦安市墓地公園の使用者(市営合葬式墓地への改葬が条件)
【市営施設への改葬で使用料が割引・還付されるタイプ】
▶ 東京都(都立霊園8か所)「原状回復義務免除制度」
- 補助内容:墓石撤去費用(通常数十万円)が免除 + 合葬施設の使用料も免除
- 対象:多磨・小平・八王子・八柱・青山・谷中・染井・雑司ヶ谷霊園の使用者で承継者なし
- ※都内に公営霊園のお墓がある方は必ず確認を
▶ 大阪府泉佐野市「区画墓地返還制度」
- 補助内容:既払い使用料の最大80%を還付 + 合葬式墓地が通常の半額
- 対象:市区画墓地から合葬式墓地への改葬者
▶ 兵庫県神戸市「合葬墓使用料減免」
- 補助内容:合葬墓の使用料が半額(5万円→2.5万円)
- 対象:市営墓地の使用者が合葬墓へ改葬する場合
▶ 大阪府岸和田市「墓所返還還付金」
- 補助内容:既払い使用料の50〜80%を還付(使用年数によって変動)
▶ 静岡県磐田市 / 岡山県玉野市 / 宮城県美里町
- いずれも既払い使用料の10〜50%を還付する制度あり
【ローン利子補給型(珍しい制度)】
▶ 北海道苫小牧市「墓所返還支援事業」
- 補助内容:苫小牧信用金庫「お墓のローン想」の利子・保証料を市が補助(上限5万円)
- ローンで費用を賄い、利子分を市が肩代わりする仕組み
自分の自治体に補助金があるか確認する方法
上記以外の自治体にも制度がある可能性があります。以下の手順で確認してください。
STEP 1:お墓の種別を確認する
まず、現在のお墓が「市区町村が運営する公営霊園」かどうかを確認します。永代使用許可証や管理費の請求書に「〇〇市」「〇〇町」という名称があれば公営霊園です。
公営霊園でない(寺院・民営)場合は、補助金はほぼ期待できないため、次のセクション「補助金以外の費用削減策」に進んでください。
STEP 2:自治体のウェブサイトで検索する
「〇〇市 墓地返還 補助」「〇〇市 改葬 助成金」などで検索します。担当部署は「生活環境課」「市民課」「公園緑地課」などで自治体によって異なります。
STEP 3:役所に電話する
見つからない場合は、市区町村の代表番号に電話し「公営霊園の墓じまいに補助金はありますか?」と直接確認するのが確実です。
確認すべきポイント(メモしておく)
- 補助対象の条件(使用年数・世帯収入・返還先など)
- 補助の上限金額
- 「工事前の事前申請」が条件か否か(着手後では受けられないケースが多い)
- 必要書類の一覧
- 申請から受け取りまでの期間
補助金を受けるための申請手順
補助金が使える自治体の場合、一般的な申請の流れは以下の通りです。
STEP 1:制度の存在・条件の確認(役所またはウェブサイト)
STEP 2:申請条件に自分が該当するか確認
- 公営霊園の使用者であること
- 合葬墓・合同墓への改葬が条件の場合は改葬先の決定
- 世帯収入の条件がある制度は収入証明の準備
STEP 3:必要書類の準備
- 申請書(自治体の様式)
- 改葬許可証のコピー
- 墓地の現状写真
- 石材店の工事見積書
- 世帯収入証明書(低所得者向け制度の場合)
STEP 4:工事・撤去の前に申請する(最重要)
ほとんどの補助金は「工事前の事前申請」が条件です。墓を先に撤去してしまうと、その時点で補助の対象外になります。「もったいない」と思う前に、必ず申請を先に行ってください。
STEP 5:工事完了後に精算申請
実際にかかった費用の領収書・写真を提出し、補助金を受け取ります(申請から受け取りまで通常1〜3ヶ月)。
補助金が使えない場合の費用削減策(寺院・民営霊園のお墓)
多くの方は補助金の対象外になります。その場合でも、以下の方法で費用を大幅に削減できます。
1. 石材店は必ず3社以上で相見積もりを取る
墓石の撤去・解体費用は石材店によって同じ工事でも数十万円の差が出ます。相見積もりは費用削減の最大の手段です。「2社では交渉しにくいが、3社あれば比較できる」という理由で最低3社を推奨します。
2. 閑散期(梅雨・冬季)に依頼する
お盆(8月)・春秋の彼岸前後はお墓業界の繁忙期のため割高になりがちです。1〜2月・6〜7月の閑散期に依頼することで10〜20%程度の割引交渉が通りやすくなります。
3. 費用が最も安い改葬先を選ぶ
| 改葬先の種類 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 公営の合同墓・合祀墓 | 無料〜5万円 | 最安。ただし遺骨の取り出し不可 |
| 永代供養墓(合祀) | 3万〜10万円 | 管理費不要。個別お参りは難しい |
| 散骨(海洋散骨) | 5万〜20万円 | お参り場所がなくなることに注意 |
| 樹木葬(合祀型) | 10万〜30万円 | 自然に還る供養。人気が高まっている |
4. メモリアルローンを利用する
資金が一時的に用意できない場合の選択肢として、金融機関のメモリアルローンがあります。例えば千葉銀行では「メモリアルローン(上限500万円、年5.40〜5.80%)」を提供しており、担保・保証人不要でWEB申込みが可能です。石材店提携ローンは0〜3%程度と銀行系より低金利のケースもあります。
5. 手続きは自分でやる(代行費用の節約)
行政書士への改葬手続き代行依頼は5万〜15万円かかります。手続き自体は自力でも行えます(詳しくは「改葬手続きを自分でやる方法」を参照)。
よくあるご質問
Q.寺院のお墓でも補助金はもらえますか?
Q.補助金がある自治体はどのくらいあるのですか?
Q.補助金の申請はいつすればいいですか?
Q.補助金がない場合、費用を一番安く抑える方法は何ですか?
Q.費用が払えない場合はどうすればいいですか?
監修
お墓のミカタ 専門アドバイザー
終活・お墓コンサルタント
お墓掃除・墓じまいに関する情報を、一般の方にもわかりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。
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