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墓じまいのメリット・デメリット|やるべき人・やめるべき人の判断基準

墓じまいのメリットは管理費ゼロ・子どもに負担を残さない・遠方の墓参り不要の3つ。デメリットは一時費用30〜150万円・親族トラブル・合祀後の取り出し不可の3つ。すべての人に墓じまいが正解とは限りません。やるべき人・やめるべき人の判断基準を解説します。

11分で読めます最終更新: 2026.03.23

この記事の監修者

お墓のミカタ 編集長

お墓のミカタ編集部

墓じまい 完全ガイドシリーズ

墓じまいの全体像・手続き・費用を一から確認する

目次

  1. 1.墓じまいのメリット・デメリットの全体像は?
  2. 2.墓じまいの3つのメリットとは?
  3. 3.墓じまいの3つのデメリットとは?
  4. 4.墓じまいをやるべき人の特徴は?
  5. 5.墓じまいをやめるべき人の特徴は?
  6. 6.「墓じまいしない」選択にもコストがあるのか?
  7. 7.判断に迷ったら、まず何から始めればよいか?
  8. 8.正直に言うと——編集長の話

墓じまいのメリット・デメリットの全体像は?

墓じまいのメリットとデメリットを整理します。

メリットデメリット
管理費・維持費がなくなる一時的に30〜150万円かかる
子どもや家族に負担を残さない親族間のトラブルリスク
遠方の墓参りが不要になる合祀後は遺骨の取り出し不可

結論から言うと、すべての人に墓じまいが正解とは限りません。

「後継者がいない」「お墓が遠方で管理できない」場合は墓じまいのメリットが大きい。一方、「親族の合意が取れていない」「祖父母が存命で急ぐ必要がない」場合は、慌てて墓じまいしない方がいい。

この記事では、メリット・デメリットの詳細に加えて、「やるべき人」と「やめるべき人」の判断基準を解説します。

墓じまいの3つのメリットとは?

メリット1:管理費・維持費がなくなる

お墓を維持するには、毎年の管理費に加えて、お墓参りの交通費、掃除代、修繕費など、さまざまなコストがかかります。

一般的な年間コストの目安:

項目金額
年間管理費3,000〜30,000円
お墓参りの交通費(年2回)数千〜数万円
お花・お供え物8,000〜20,000円
掃除代行(利用する場合)15,000〜35,000円/回
修繕費(10年に1回程度)50,000〜300,000円

遠方にお墓がある場合、交通費だけで年間5〜10万円かかることもあります。20年間維持すると、合計で100〜200万円以上。墓じまいの一時費用(30〜150万円)と比較して、長期的にはどちらが安いかを試算する価値があります。

→ 自分の場合の長期コストを試算するには「費用シミュレーター」をご利用ください。

メリット2:子どもや家族に負担を残さない

墓じまいを検討する理由として最も多いのが「子どもに負担をかけたくない」です。

厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、改葬件数は2024年に176,105件と過去最高を記録。背景には、核家族化・少子化・都市部への人口集中があります。

自分が元気なうちに墓じまいをしておけば、子どもや家族が「お墓をどうするか」で悩む必要がなくなります。逆に、何も決めないまま自分が亡くなると、残された家族が判断・手続き・費用のすべてを背負うことになります。

メリット3:遠方のお墓参りが不要になる

進学や就職で実家を離れ、お墓がある故郷に戻れなくなるケースは年々増えています。

墓じまいをして自宅近くの供養先に改葬すれば、お墓参りのハードルが下がります。「行きたいけど行けない」という罪悪感からも解放されます。

あるいは、永代供養墓に移せば、お参りに行けなくても寺院や霊園が代わりに供養を続けてくれます。

墓じまいの3つのデメリットとは?

デメリット1:一時的に30〜150万円の費用がかかる

墓じまいは長期的にはコスト削減になりますが、実行するには一時金が必要です。

費用の内訳:

項目金額
墓石の撤去・整地10〜30万円
閉眼供養のお布施3〜10万円
離檀料(寺院墓地の場合)0〜20万円
新しい供養先の費用5〜150万円

特に「新しい供養先の費用」の選び方で総額が大きく変わります。合祀型の永代供養墓なら5〜15万円で済みますが、納骨堂や樹木葬を選ぶと数十万円〜百万円以上になります。

→ 費用を抑える具体的な方法は「墓じまいの費用が払えない時の6つの対処法」で解説しています。

デメリット2:親族間のトラブルリスク

墓じまいで最も多いトラブルは「親族の反対」です。

お墓に対する価値観は、家族でも人それぞれ。「先祖代々のお墓を壊すなんてありえない」と強く反対する親族がいるケースは珍しくありません。

特に問題になりやすいのが:

  • 事前に相談せず、勝手に墓じまいを進めてしまった
  • 費用を誰が負担するかで揉めた
  • 遺骨の改葬先について意見が割れた

親族全員が100%納得することは難しいですが、「なぜ墓じまいが必要なのか」「改葬後はどうするのか」を事前に丁寧に説明し、合意を得ることが最低条件です。

→ 親族の説得方法は「墓じまいに反対する親族を説得する方法」で解説しています。

→ 費用の分担については「兄弟・親族間のお墓トラブル解決法」をご覧ください。

デメリット3:合祀後は遺骨の取り出しが不可能

合祀型の永代供養墓や海洋散骨を選んだ場合、遺骨は他の方の遺骨と合同で埋蔵されるか、海に撒かれます。一度そうなると、遺骨を取り出すことは不可能です。

「費用が安いから」と合祀を選んだ後に、「やっぱり個別のお墓に入れたい」と思っても手遅れです。

特に、家族の中に「将来気持ちが変わるかもしれない」と思っている人がいる場合は、個別安置期間のある納骨堂や樹木葬を選ぶ方が安全です。

→ 実際に後悔した方の体験談は「永代供養にして後悔した——合祀後に「やっぱり取り出したい」と思った日」をご覧ください。

墓じまいをやるべき人の特徴は?

以下の項目に複数当てはまる場合は、墓じまいを前向きに検討した方がよさそうです。

1. お墓の後継者がいない

独身・子なし・一人っ子の場合、自分の代でお墓の管理者がいなくなります。放置すれば無縁墓となり、最終的に自治体による強制撤去の対象になります。

→ 「後継者なし・一人っ子のお墓問題」も参考にしてください。

2. お墓が遠方にあり、管理できていない

ここ数年お墓参りに行けていない。管理費は払っているが、お墓の状態を確認できていない。この状態が続くと、墓石の劣化や雑草の繁茂が進み、周囲の墓地にも迷惑をかける可能性があります。

3. 管理費・維持費が経済的な負担になっている

年間の管理費に加えて、交通費・掃除代・修繕費が積み重なり、家計を圧迫している場合。費用シミュレーターで「維持し続けた場合の累計費用」と「墓じまいの一時費用」を比較してみてください。

4. 家族・親族の間で墓じまいの合意がある

すでに家族と話し合い、「墓じまいしよう」という方向で一致している場合は、早めに動いた方が費用も手間も少なくなります。補助金制度は年度ごとに終了する可能性もあります。

墓じまいをやめるべき人の特徴は?

以下の項目に当てはまる場合は、墓じまいを急ぐ必要はありません。

1. 親族の合意が得られていない

反対している親族がいる状態で強行すると、親族関係が壊れます。お墓の問題よりも親族関係の方が長く続く。まずは話し合いから始めてください。

2. 祖父母や両親が存命で、急ぐ必要がない

お墓に入る予定の方がまだ健在な場合、墓じまいを急ぐ理由は薄い。本人の意向を確認できるうちに話し合っておき、「いつかその時が来たらどうするか」の方向性だけ決めておくのが最善です。

3. お墓が近くにあり、管理に困っていない

自宅から1時間以内でお墓参りに行ける。管理費も負担ではない。お墓の状態も良好。この場合、墓じまいのメリットは小さく、「今のまま続ける」が合理的な選択です。

4. 感情的に踏ん切りがつかない

「頭では分かっているけど、心が追いつかない」状態は自然なことです。お墓は故人との繋がりを感じる場所でもあります。無理に決断する必要はありません。情報だけ集めておいて、気持ちの準備ができてから動いても遅くありません。

「墓じまいしない」選択にもコストがあるのか?

墓じまいのデメリットは分かりやすいですが、「墓じまいしない」にもコスト(リスク)があります。

金銭コスト: 管理費・維持費が毎年かかり続ける。20年で100〜200万円以上になることも。

時間コスト: 遠方のお墓参り、掃除、修繕の手配に時間を取られる。

精神コスト: 「行かなきゃ」「どうしよう」という漠然とした不安を抱え続ける。

放置リスク: 管理費を5年以上滞納すると、無縁墓と判断される可能性がある。最悪の場合、自治体による強制撤去で遺骨が無縁塚に改葬される。

墓じまいする・しない、どちらにもコストがある。どちらのコストが自分と家族にとって大きいかで判断してください。

判断に迷ったら、まず何から始めればよいか?

感情だけで判断すると堂々巡りになります。まずは数字で比較してみてください。

比較すべき2つの数字:

  • A:今後○年間、お墓を維持し続けた場合の累計費用
  • B:墓じまいの一時費用

AとBのどちらが大きいか。これが判断の出発点です。

例えば:

  • 年間維持費が5万円 × 今後30年 = 150万円(A)
  • 墓じまい費用が合祀で50万円(B)
  • → 墓じまいした方が100万円安い

逆に:

  • 年間維持費が1万円 × 今後20年 = 20万円(A)
  • 墓じまい費用が80万円(B)
  • → 維持した方が60万円安い

数字で見て初めて、「感情を横に置いて冷静に判断」ができるようになります。

費用シミュレーターで自分の場合を試算する

→ 実際にシミュレーターで判断した方の体験談は「費用シミュレーターで「墓じまいの方が安い」と気づいた話」をご覧ください。

正直に言うと——編集長の話

このサイト(お墓のミカタ)の編集長自身も、まだ結論が出ていません。

父方の祖母と叔父が亡くなり、祖父はまだ健在で、父もいずれ同じお墓に入る予定。父からは「墓じまいしてもいいから、お前が決めてくれ」と言われましたが、まだ決められていない。

上の世代からは「任せた」と言われ、下の世代(妻や子供)にはどう伝えればいいか分からない。

だからこそ、このサイトを作って調べ続けています。メリット・デメリットを整理しても、最後は「自分と家族がどうしたいか」で決まる。万人に当てはまる正解はありません。

この記事が、あなたの判断の材料になれば嬉しいです。

編集長の詳しいストーリーは運営者情報をご覧ください

よくあるご質問

Q墓じまいは罰当たりですか?

A.宗教的に禁止されている行為ではありません。お墓の形を変えるだけで、故人を供養する気持ちは変わりません。実際に、多くのお寺でも墓じまい後の永代供養を受け付けています。仏教の教えでも「形にとらわれず、心を大切にする」ことが説かれています。

Q墓じまいしないとどうなりますか?

A.お墓の管理費を長期間滞納すると、墓地の管理者から「無縁墓」と判断される可能性があります。法的手続きを経た上で、最終的に自治体が強制撤去し、遺骨は無縁塚に改葬されます。ただし、管理費を払い続けて定期的にお墓参りをしていれば、問題はありません。

Q墓じまいのベストなタイミングは?

A.「これがベスト」という正解はありません。ただし、自分が元気で判断力があるうちに準備しておくことをおすすめします。高齢になってからだと手続きの負担が大きくなり、認知症等で判断能力が低下すると成年後見制度が必要になる場合もあります。

Q墓じまいした後、後悔しませんか?

A.後悔するかどうかは「事前の準備」で決まります。家族と十分に話し合い、改葬先を納得して選び、費用を把握した上で進めれば、後悔は少ない。逆に、勢いで決めたり、家族の意見を聞かずに進めると後悔しやすい。当サイトの体験談でも、後悔した人と後悔しなかった人の違いは「事前の話し合いの有無」でした。

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監修

お墓のミカタ 編集長

お墓のミカタ編集部

お墓をどうするかで悩む方に向けて、選択肢と判断材料を分かりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。

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