実家じまいとは?進め方・費用・売れない実家の対処法を完全ガイド
実家じまいとは、親から相続した家を「住む・貸す・売る・空き家のままにする・寄付する・相続放棄する」のいずれかで整理することです。何もせず放置すると固定資産税が最大6倍になるリスクもあります。進め方の全体像と、費用・売れない実家の対処法まで一つにまとめて解説します。
目次
実家じまいとは何か?なぜ今、多くの家庭で問題になっているのか?
「実家じまい」とは、親が亡くなった後(または施設入居後)に残された実家を、売却・賃貸・解体・空き家管理などの形で整理することです。
総務省「住宅・土地統計調査(2023年)」によると、全国の空き家は約849万戸に達し、その多くが「相続後に放置された実家」です。背景には次のような事情があります。
- 子世代が都市部で生活基盤を築き、実家に戻る選択肢が現実的でない家庭が増えている
- 2015年施行の空き家対策特別措置法により、管理されていない空き家は「特定空家」に指定され、固定資産税が最大6倍になる可能性がある
- 2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になる
「まだ決められない」「何から手をつければいいかわからない」という状態でも大丈夫です。まずは選択肢を知ることから始めましょう。
実家じまいの選択肢にはどんなものがある?
実家じまいの選択肢は、大きく分けて6つあります。
| 選択肢 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 住む | 自分または家族が移住する | 実家の立地・築年数に問題がなく、生活基盤を移せる場合 |
| 貸す | 賃貸物件として活用する | 立地が良く、賃貸需要が見込める場合 |
| 売る | 不動産として売却する | 一般的な選択肢。相場・売れやすさは物件による |
| 空き家のまま | 当面は手をつけない | 判断を保留したい場合(ただし放置リスクに注意) |
| 寄付する | 自治体やNPO等に譲渡する | 売却が難しく、手放すこと自体を優先したい場合 |
| 相続放棄する | 相続そのものを放棄する | 負債が資産を上回る、または関わりたくない事情がある場合 |
どれが正解ということはなく、物件の状態・立地・家族の状況によって最適解が変わります。 各選択肢の詳しい判断基準は相続した親の家に住まない場合|5つの選択肢と費用・リスクを徹底比較で解説しています。
実家じまいの費用はどれくらいかかる?
実家じまいの費用は、解体するかどうか・遺品の量・売却方法によって大きく変わります。全国的な目安としては、解体なしで売却する場合は約180万〜250万円、解体してから売却する場合は約290万〜350万円程度とされています。
遺品整理・不用品処分・ハウスクリーニング・解体・相続手続きなど、項目別の詳しい相場と費用を抑えるポイントは実家じまいの費用はいくら?遺品整理・解体・売却まで相場を完全解説で解説しています。
空き家のまま放置するとどうなる?
「決められないから、とりあえずそのままに」という判断は珍しくありません。ただし、空き家を放置すると、固定資産税の増額・建物価値の下落・倒壊や損害賠償のリスクなど、時間が経つほど不利になる要素が積み重なっていきます。
放置によって具体的にどんなリスクがあるかは、空き家を放置する7つのリスク|固定資産税6倍・倒壊・賠償の対処法で詳しく解説しています。今すぐ決断できなくても、リスクを知っておくだけで判断のタイミングを逃しにくくなります。
売りたいのに売れない・訳あり物件の場合はどうする?
「一般の不動産仲介に出しても売れない」というケースも少なくありません。事故物件・再建築不可・老朽化した田舎の物件などは、一般的な売却方法では買い手がつきにくいことがあります。
こうした「訳あり物件」には専門の買取業者があり、通常の仲介では難しい物件でも現金化できる場合があります。物件タイプ別の売り方は訳あり不動産はこう売る|事故物件・再建築不可・共有名義の売却完全ガイド、田舎の実家に特化した対処法は田舎の実家が売れない|最終手段5つを徹底解説で解説しています。
借地権・共有名義など権利関係が複雑な場合はどうする?
実家じまいでは、権利関係が複雑で身動きが取りにくいケースもよくあります。
- 借地権付きの実家:土地は地主の所有で、建物だけが相続財産という場合、売却には地主の承諾(承諾料が発生することが多い)が必要です。詳しくは借地権付き実家の売却|地主との交渉・専門業者の選び方で解説しています。
- 兄弟姉妹との共有名義:実家が複数の相続人の共有名義になっている場合、他の共有者の同意なしに自分の持分だけを売却する方法もあります。詳しくは共有名義の実家を1人だけ売却する方法|共有持分買取の流れ・相場で解説しています。
実家じまいと墓じまいを同時に進める場合、どう進めればいい?
親が亡くなった後は、実家の整理とお墓の整理が同時に必要になることが少なくありません。どちらも重なる時期に進めることになるため、負担を感じる方も多いはずです。
無理に同時並行で全部を進める必要はありません。一般的には、以下のような順序で進める方が多く見られます。
- 1相続人全員での話し合い(実家・お墓、両方の方針をまとめて確認する)
- 2緊急性の高い方から着手する(例:空き家の管理リスクが高い、お墓の管理費滞納が迫っている等)
- 3並行できる手続き(相続登記・名義変更など)は同時に進める
お墓の名義変更(祭祀承継)の手続きはお墓の名義変更(祭祀承継)のやり方|手続き・費用・相続税・トラブル防止策、実家の仏壇の処分もあわせて必要な場合は実家の仏壇もあわせて処分する場合の費用・手順、墓じまい全体の流れは墓じまいとは?費用・流れ・手続きを完全解説で確認できます。
実家とお墓、両方を一度に片付けようとすると疲れてしまいます。「今月は実家の相続登記だけ」「来月はお墓の相談だけ」というように、少しずつ進めても大丈夫です。
実家じまいはどこから始めればいい?
何から手をつければよいか迷う場合は、次の順序で進めると整理しやすくなります。
- 1相続人全員で話し合う:誰が実家を相続するか、どうしたいかの意向を確認する
- 2物件の状態を把握する:築年数・立地・権利関係(借地権・共有名義の有無)を確認する
- 3専門家に相談する:不動産会社・空き家バンク・弁護士・司法書士など、状況に応じた専門家に相談する
- 4選択肢を絞り込む:住む・貸す・売る・空き家のまま・寄付・相続放棄の中から方針を決める
- 5手続きを実行する:相続登記・売却活動・解体などを進める
一度に全部決める必要はありません。まずは「今の実家の状態を把握する」ところから始めていただければ十分です。
よくあるご質問
Q実家じまいと墓じまい、どちらを先に進めるべきですか?
Q相続放棄すれば実家の管理義務もなくなりますか?
Q実家が遠方にあり頻繁に見に行けません。どうすればいいですか?
Q実家じまいの相談は誰にすればいいですか?
監修
お墓のミカタ編集部
お墓をどうするかで悩む方に向けて、選択肢と判断材料を分かりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。
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