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墓じまいした後の供養はどうする?5つの選択肢を費用・特徴で比較

墓じまいした後の遺骨の供養方法を5つ比較。永代供養墓(5〜30万円)、樹木葬(20〜80万円)、納骨堂(30〜150万円)、海洋散骨(3〜30万円)、手元供養(1〜10万円)の費用・メリット・デメリット・向いている人を整理し、後悔しない選び方を解説します。

12分で読めます最終更新: 2026.03.23

この記事の監修者

お墓のミカタ 編集長

お墓のミカタ編集部

墓じまい 完全ガイドシリーズ

墓じまいの全体像・手続き・費用を一から確認する

目次

  1. 1.墓じまい後の遺骨、そのままにしておけない理由とは何か?
  2. 2.供養方法を選ぶ3つの判断基準とは何か?
  3. 3.①永代供養墓(5〜30万円/柱)は最もポピュラーな選択肢か?
  4. 4.②樹木葬(20〜80万円/柱)は今最も選ばれている選択肢か?
  5. 5.③納骨堂(30〜150万円/柱)は都市部でアクセス良好な選択肢か?
  6. 6.④海洋散骨(3〜30万円)はお墓を持たない選択肢か?
  7. 7.⑤手元供養(1〜10万円)は自宅で供養する選択肢か?
  8. 8.5つの供養方法を比べると何が違うか?
  9. 9.遺骨が複数柱ある場合はどうすればよいか?
  10. 10.後悔しないための3つのポイントとは何か?
  11. 11.まずは費用を試算することから始めるには?

墓じまい後の遺骨、そのままにしておけない理由とは何か?

墓じまいした後の遺骨の供養方法は主に5つあります。

供養方法費用相場(1柱)お参りの場所
永代供養墓5〜30万円あり
樹木葬20〜80万円あり
納骨堂30〜150万円あり(屋内)
海洋散骨3〜30万円なし
手元供養1〜10万円自宅

最も費用を抑えられるのは合祀型の永代供養墓。最も自由度が高いのは手元供養です。ただし、合祀後は遺骨の取り出しができません。「安いから」だけで選ぶと後悔する場合があります。

大前提として、墓じまいで取り出した遺骨を廃棄することは墓地、埋葬等に関する法律で禁止されています。つまり、墓じまいをする前に「遺骨の行き先」を決めておく必要があります。改葬先が決まらないと、自治体に改葬許可申請もできません。

「墓じまいの費用」ばかりに注目しがちですが、実は費用の総額を最も左右するのは「改葬先をどこにするか」です。改葬先の選び方で、総額が30万円にも150万円にもなります。

この記事は「墓じまいをすることは決めた。でも遺骨をどうするか決まっていない」という方に向けて書いています。墓じまい自体をまだ迷っている方は、まず墓じまいとは?費用・流れ・手続きを完全解説をご覧ください。

供養方法を選ぶ3つの判断基準とは何か?

5つの供養方法を比較する前に、判断基準を整理しておきます。自分にとって何が一番大事かを決めてから選ぶと、迷いが減ります。

基準①:費用はいくらかけられるか?

改葬先の費用は1柱あたり5万円〜150万円まで幅があります。遺骨が複数柱ある場合は「1柱あたりの費用 × 柱数」で考えてください。3柱なら合祀で15万円、納骨堂なら90〜450万円。差が大きい。

基準②:お参りできる場所が必要か?

「お墓がなくなった後、どこに手を合わせに行けばいいのか」は、家族にとって重要な問題です。永代供養墓・樹木葬・納骨堂にはお参りできる場所があります。海洋散骨と手元供養にはありません(手元供養は自宅が参拝の場所になります)。

基準③:将来、遺骨を取り出す可能性があるか?

合祀型の永代供養墓と海洋散骨は、一度納骨・散骨すると遺骨の取り出しができません。「やっぱり別の場所に移したい」が通用しない。将来の可能性を少しでも残しておきたいなら、個別安置型の納骨堂や樹木葬を選ぶ方が安心です。

①永代供養墓(5〜30万円/柱)は最もポピュラーな選択肢か?

お寺や霊園が遺族に代わって、永続的に供養・管理してくれるお墓です。墓じまい後の改葬先として最も多く選ばれています。

2つのタイプはどう違うか?

  • 合祀型(5〜15万円/柱):他の方の遺骨と合同で埋葬する。最も費用が安い。ただし納骨後は遺骨の取り出し不可。
  • 個別安置型(15〜30万円/柱):一定期間(10〜33年)は個別に保管。期間終了後は合祀に移行。

メリット:

  • 管理費が不要(または最初に一括支払い)
  • 後継者がいなくても申し込める
  • 宗派を問わないところが多い

デメリット:

  • 合祀後は遺骨の取り出しが不可能
  • 個別のお墓ではないため、「うちのお墓」という感覚は薄い
  • お参りの場所はあるが、他の方と共用

こんな人に向いている:

  • 費用をできるだけ抑えたい
  • 後継者がいない、またはお墓の管理を誰にも頼めない
  • 将来遺骨を取り出す予定がない

▶永代供養とは?合祀墓・樹木葬・納骨堂の違いと費用を比較

▶永代供養のデメリットと後悔しない選び方

②樹木葬(20〜80万円/柱)は今最も選ばれている選択肢か?

樹木や草花を墓標とするお墓です。鎌倉新書「お墓の消費者全国実態調査(2024年版)」では、購入されたお墓のうち樹木葬が48.5%を占め、一般墓(17.0%)を大きく上回っています。

3つのタイプはどう違うか?

  • 合祀型(20〜30万円):他の方の遺骨と合同で埋葬。シンボルツリーの下に共同埋蔵。
  • 集合型(30〜50万円):1つの区画に複数名の遺骨を個別に埋蔵。プレート等で区別。
  • 個別型(50〜80万円):1区画に1名(または家族)分。一般墓に近い形。

メリット:

  • 自然に囲まれた環境で供養できる
  • 一般墓より費用が安い
  • 管理費が不要のところが多い
  • 宗派不問が多い

デメリット:

  • 合祀型は遺骨の取り出し不可
  • 季節によっては花が咲かず寂しい印象になる
  • 郊外にあることが多く、アクセスが不便な場合がある

こんな人に向いている:

  • 「自然に還りたい」という意向がある
  • 従来の墓石にこだわらない
  • ある程度の費用は出せるが、一般墓ほどはかけたくない

▶樹木葬とは?費用・選び方・失敗しないための完全ガイド

▶樹木葬と納骨堂の違いを徹底比較

③納骨堂(30〜150万円/柱)は都市部でアクセス良好な選択肢か?

建物の中に遺骨を安置する施設です。駅近にあることが多く、天候に関係なくお参りできるのが特徴です。

3つのタイプはどう違うか?

  • ロッカー型(30〜50万円):コインロッカーのような棚に骨壺を収蔵。最も安い。
  • 仏壇型(50〜100万円):上段に仏壇、下段に遺骨を収蔵。お参りしやすい。
  • 自動搬送型(80〜150万円):ICカードで遺骨が自動的に参拝ブースに運ばれる。都市部に多い。

メリット:

  • 駅近・屋内でアクセスと快適さが良い
  • 天候に左右されない
  • 管理が行き届いている

デメリット:

  • 費用が高め(特に自動搬送型)
  • 施設の運営が終了すると移転が必要になるリスク
  • 年間管理費がかかるところが多い

こんな人に向いている:

  • 都市部在住でアクセスの良さを重視する
  • 定期的にお参りしたい
  • 屋内の清潔な環境で供養したい

▶納骨堂の選び方完全ガイド

④海洋散骨(3〜30万円)はお墓を持たない選択肢か?

遺骨を粉骨(2mm以下に粉砕)した上で、海に撒く供養方法です。

3つのタイプはどう違うか?

  • 委託散骨(3〜5万円):業者に遺骨を預けて、代わりに散骨してもらう。最も安い。
  • 合同散骨(10〜15万円):複数の家族が同じ船に乗り合わせて散骨。
  • 個別散骨(20〜30万円):1家族で1隻の船をチャーターして散骨。

メリット:

  • お墓の管理が一切不要
  • 費用が安い
  • 希望があれば自然に還るかたちで供養できる

デメリット:

  • 遺骨が完全になくなる(取り出し不可)
  • お参りする場所がない
  • 粉骨に心理的な抵抗を感じる人もいる
  • 一部の海域では条例で規制されている

こんな人に向いている:

  • お墓を持たない生き方を選びたい
  • 希望として「海に撒いてほしい」と伝えられていた
  • 費用を最小限にしたい

▶散骨とは?費用・手順・条例・注意点

⑤手元供養(1〜10万円)は自宅で供養する選択肢か?

遺骨の一部または全部を自宅に保管して供養する方法です。遺骨ペンダント、ミニ骨壺、遺骨を入れたオブジェなどの形があります。

メリット:

  • 遺骨を身近に感じられる
  • 費用が最も安い
  • 他の供養方法と併用できる(一部を手元に、残りを合祀に等)

デメリット:

  • 自分が亡くなった後の遺骨の行き先を決めておく必要がある
  • 家族の理解が必要(抵抗を感じる人もいる)
  • 自宅保管自体は違法ではないが、庭に埋めるのは墓地埋葬法上違法になる点に注意

こんな人に向いている:

  • 遺骨を身近に感じていたい
  • 他の供養方法と併用したい(分骨)
  • 費用をかけたくない

▶手元供養とは?種類・費用・選び方

5つの供養方法を比べると何が違うか?

項目永代供養墓樹木葬納骨堂海洋散骨手元供養
費用(1柱)5〜30万円20〜80万円30〜150万円3〜30万円1〜10万円
お参りの場所ありありあり(屋内)なし自宅
遺骨の取り出し合祀後は不可合祀型は不可期間中は可能不可可能
年間管理費なしが多いなしが多いありが多いなしなし
後継者不要不要不要が多い不要必要(自分の死後の対応)
宗派の制限なしが多いなしが多いありの場合もなしなし

お墓のミカタが墓じまい経験者50人に調査したところ、「改葬先を決めるのに最も迷った」という回答が68%を占め、その理由として「選択肢の違いがよくわからなかった」が最も多かった(お墓のミカタ調べ、2025年11月実施)。この表を手元に置いて、家族で話し合うことから始めてみてください。

遺骨が複数柱ある場合はどうすればよいか?

墓じまいで取り出す遺骨が1柱とは限りません。先祖代々のお墓なら3〜5柱、多い場合は10柱以上のこともあります。

全部同じ場所に納める必要はありません。たとえば:

  • 顔を覚えている祖父母の遺骨 → 樹木葬(個別でお参りできる)
  • 会ったことのない先祖の遺骨 → 合祀の永代供養墓(費用を抑える)
  • 一部の遺骨 → 手元供養(ペンダントに)

このように分骨して、それぞれに合った供養方法を選ぶことも可能です。分骨する場合は分骨証明書が必要になります。現在のお墓の管理者に申し出てください。

後悔しないための3つのポイントとは何か?

ポイント①:家族全員で話し合ってから決める

「安いから合祀でいいか」と自分だけで決めると、後から家族に「なぜ相談してくれなかったのか」と言われるケースがあります。特に合祀と散骨は取り返しがつかないので、必ず家族の意向を確認してください。

ポイント②:見学してから決める

パンフレットや写真だけで決めず、実際に現地を訪れてください。雰囲気、アクセス、清掃状況、管理事務所の対応など、行かないと分からないことが多い。

ポイント③:契約前に「契約終了後どうなるか」を確認する

納骨堂や個別安置型の永代供養墓は、安置期間が終了した後に合祀に移行します。その際の費用や手続きを事前に確認しておかないと、後から想定外の出費が発生することがあります。

▶永代供養にして後悔した体験談

まずは費用を試算することから始めるには?

供養方法によって費用は10倍以上の差があります。「うちの場合、どの方法でいくらかかるのか」を具体的に知ることが、判断の第一歩です。

▶費用シミュレーターで自分の場合の費用を試算する

▶墓じまいの全体的な流れ・費用・手続きを確認する

▶墓じまいの費用が払えない時の対処法

よくあるご質問

Q墓じまいした後、お盆やお彼岸はどうすればいい?

A.新しい供養先がある場合はそこに参拝します。散骨や手元供養でお参りする場所がない場合は、自宅の仏壇やお位牌の前で手を合わせる形で供養を続けている方が多いです。供養の形は変わっても、手を合わせる気持ちがあれば十分です。

Q合祀と個別安置、どちらがいい?

A.費用を最優先にするなら合祀。将来遺骨を取り出す可能性を残したいなら個別安置。判断の分かれ目は「取り出す可能性があるか」です。迷う場合は、安置期間のある個別安置を選ぶ方が後悔が少ない傾向にあります。

Q遺骨を複数の場所に分けて納めてもいい?

A.問題ありません。分骨は法的にも宗教的にも認められています。分骨する場合は、現在の墓地管理者から「分骨証明書」を発行してもらう必要があります。

Q改葬先はいつまでに決めればいい?

A.墓じまいの工事前に決める必要があります。改葬先が決まっていないと、自治体から改葬許可証が発行されません。先に改葬先を見学・契約し、受入証明書を取得してから、改葬許可の申請に進んでください。

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監修

お墓のミカタ 編集長

お墓のミカタ編集部

お墓をどうするかで悩む方に向けて、選択肢と判断材料を分かりやすくお届けすることを目指しています。記事内の法的手続きや費用に関する情報は、公的機関の資料や業界資料を参考に作成しておりますが、最新の情報は必ず各自治体・関連事業者にご確認ください。

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